宿泊業向けの納入業者、8割が減収で赤字は3割 帝国データバンク調べ:業績不振は深刻化
帝国データバンクは、ホテル・旅館など宿泊業向け納入企業の業績を分析した。約8割が減収に苦しんでおり、赤字に陥っていたのは3割という結果だった。
帝国データバンクは8月23日、ホテルや旅館といった宿泊業向けに食材・サービスを納入する企業の2020年度における業績を分析し、その結果を発表した。それによると、納入企業の約8割が減収に苦しんでおり、3割は赤字だった。
業種別にみると、ビールや日本酒を扱う酒類卸はほとんどの納入企業で売り上げ減となった。また、食材卸、布団・シーツなどのリネンサプライの業種でも売り上げが大きく落ち込んでいる。同社は「経営の打撃が深刻化している」と分析する。
背景にあるのは、1年前から首都圏などに何度も発出されている緊急事態宣言だ。旅館業関係者から「これまで4トントラックで酒類を運んできた問屋が、最近では軽トラックでもほとんど空荷状態なほど取引量が少なくなった」といった声が寄せられているという。同社は今後の見通しについて「引き続きコロナ禍の影響で宿泊客の戻りが鈍いなか、長期間の需要減にさらされ続けてきた納入企業の中には経営体力が尽きるケースも増え始めており、年末にかけて影響がさらに拡大する恐れがある」としている。
影響が大きいのは酒類卸
帝国データバンクの保有する企業データベースから、宿泊業を主な得意先とする企業1000社超を調査した。納入企業の業種別において、最も減収の割合が大きかったのが「酒類卸」(95.2%)で、「燃料卸」(91.9%)、「パン・菓子類卸」(91.5%)と続いた。
昨年のGo To トラベル効果で一時的にホテルや旅館からの受注量が回復したが、感染拡大の影響で再び失速したことが響いた。
同社は「緊急事態宣言の対象地域拡大や期間の延長により、ホテル・旅館の宿泊需要回復には相当期間が必要となる」としている。
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