“世界同時ヒット”は実現するのか 「MANGA Plus」が海外でウケている理由:ジャーナリスト数土直志 激動のアニメビジネスを斬る(2/7 ページ)
2019年1月にスタートした、集英社の「MANGA Plus」が躍進している。雑誌に掲載されている漫画を、海外でも読めるようにしたわけだが、どのような特徴があるのか。「少年ジャンプ+」の副編集長に話を聞いた。
MANGA Plusを立ち上げた理由
――日本で連載する漫画作品を時差なく海外配信する仕組みと、その成功でMANGA Plusに注目が集まっています。MANGA Plusが立ち上がった理由と目的な何ですか?
籾山: MANGA Plusを作った理由の一つは、海外で海賊版のジャンプの漫画が読まれていることにありました。それを潰したいというより、そこにすごく需要があると。海外で日本の漫画が人気なのは事実ですが、MANGA Plusが始まるまでは、ほとんどの国で日本と同時期にジャンプで掲載されている最新話は読めませんでした。できるだけ広く、多くの読者にジャンプの連載作品を読んでほしい、という思いがあって始めました。
あと、ネット上では韓国のWEBTOONのユーザー数がすごく伸びている。アジアだけでなく北米や欧州などにも広がっている。これも意識はしています。
漫画編集者の僕たちは、読者の反応をみながら次の考えを作家さんと打ち合わせして、連載を面白くしていきます。それを日本だけでなく、海外でも行っていきたい。いまはできていませんが、そうした可能性も考えられれば。
――日本ではアプリ「少年ジャンプ+」があります。MANGA Plusは海外版「少年ジャンプ」と考えていいですか?
籾山: 『週刊少年シャンプ』『少年ジャンプ+』『ジャンプスクエア』『Vジャンプ』の作品をメインで配信しています。アプリとWebサイトがあって、アカウントなどを取得する必要はありません。日本、中国、韓国以外の全世界、多言語が特徴です。日本と同時配信にこだわっていて、公開日の日本時間0時から読めます。あとコメント欄があるのは「少年ジャンプ+」に近いですね。日本と環境が違うので課金はなく、無料で全作品です。
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