“世界同時ヒット”は実現するのか 「MANGA Plus」が海外でウケている理由:ジャーナリスト数土直志 激動のアニメビジネスを斬る(4/7 ページ)
2019年1月にスタートした、集英社の「MANGA Plus」が躍進している。雑誌に掲載されている漫画を、海外でも読めるようにしたわけだが、どのような特徴があるのか。「少年ジャンプ+」の副編集長に話を聞いた。
MANGA Plusの機能は漫画雑誌
――通常の海外展開はライツ事業担当や現地出版社を通すことが多いと思います。ジャンプ編集部が自らMANGA Plusをマネジメントするのは画期的ですが、すでに現地でビジネスをする海外出版社との軋轢(あつれき)が生まれませんか?
籾山: プロジェクトが始まる2〜3年前に世界中の正規版の出版社やライセンシーと話をしたのですが、多くが前向きでした。最初に読まれるのは海賊版だったのですが、MANGA Plusが始まることで読者が海賊版から正規に移行する。MANGA Plusから現地の漫画出版へ誘導しますので、むしろ協力したいという出版社が多かったです。
――利用の多い地域はありますか?
籾山: 米国が一番多いですが、東南アジアと中南米も多いですね。中南米はスペイン語でも配信しているのが理由だと思います。東南アジアはフィリピン、タイ、インドネシア。
――日本の漫画は台湾やタイで強いですが、インドネシアやフィリピンもですか?
籾山: 市場としては台湾などのほうが大きいですが、漫画を読んでくれる読者の数を考えると、東南アジアはかなり人気があります。英語とスペイン語だけでやっていたときから、タイはすごくアクセス数が多く、現地に足を運んで出版社と話しました。そこでタイ語で配信すればもっと需要はあるではないかと考え、現在はタイ語も配信しています。いまは国別のユーザーランキングで2位とか3位にランクインしています。
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