2015年7月27日以前の記事
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三菱商事発のMCデータプラス、知られざる“ユニコーン級"バーティカルSaaS企業とは(6/6 ページ)

急成長を遂げるSaaS領域において、日々多くのニュースを目にするようになった。freee、Sansanといった上場企業の台頭だけでなく、SmartHRをはじめとする未上場フェーズの企業においても大型資金調達が報じられるなど新興企業の台頭が著しい。その中で異質な"商社発"のバーティカルSaaS企業が存在する。建設現場の労務安全書類作成・管理クラウドサービス「グリーンサイト」を提供するMCデータプラスだ。

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MCデータプラスは日本を代表するバーティカルSaaS企業となるか

 ブルーオーシャンをひた走るように見えるMCデータプラスだが、課題も見受けられる。一つは、今後の複合的なサービス展開に向けた開発力だ。

 「システム開発を外注している割合が多く、徐々に内製に切り替えている」(飯田氏)といった点において、アジリティに強みを持つスタートアップと製品開発において十分なスピードを維持することができるか懸念がある。

 また同社の成り立ち上、一般的な知名度はまだまだ低く採用面でも課題が見受けられる。スタートアップのようにストックオプションをインセンティブとした採用施策を取ることができないため、一線級のSaaS人材の獲得ハードルは高い。

 これらの課題に対して、noteでの発信や広報活動の強化などを行いながら、あくまでベンチャー企業としての成長姿勢を打ち出している。

 過去、日本で1兆円の時価総額を超える新興企業は、M3やモノタロウなど、大企業のアセットを生かしながら発展を遂げたケースも多い。業界に浸透することに時間が掛かるバーティカル領域であるからこそ、歴史とアセットを合わせ持つMCデータプラスのポテンシャルは大きい。

 “ユニコーン級"の企業から、日本を代表するバーティカルSaaS企業へと進化を遂げることができるか、注目を続けていきたい。

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