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【バーティカルSaaS】 調剤薬局のDX化を進めるカケハシ 成長スピード1年で3倍の3つの要因(1/5 ページ)

調剤薬局のDX化を猛烈に推し進めるスタートアップがある。薬歴システム「Musubi」を提供するバーティカルSaaS企業、カケハシだ。導入した薬局から熱烈な支持を受け「1年で3倍の売上成長」というスピードで躍進を遂げるカケハシの戦略はどのようなものだろうか。

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 調剤薬局のDX化を猛烈に推し進めるスタートアップがある。

 薬歴システム「Musubi」を提供するバーティカルSaaS企業、カケハシだ。

 一見すると“地味"な業界向けシステムを作っていると思われるかもしれないが、日本全国の調剤薬局数は約6万店とコンビニの数よりも多く存在し、業務効率化の余地を大きく抱えた市場だ。

 カケハシが提供する「Musubi」は、従来、薬剤師にとって負担が大きかった処方薬の記録を効率化するだけでなく、法改正によって義務化された薬の服用期間中の患者フォローや、経営数値を見える化する機能など、薬局の基幹システムを担うまでサービス範囲を拡充している。

 導入した薬局から熱烈な支持を受け「1年で3倍の売上成長」というスピードで躍進を遂げるカケハシの戦略はどのようなものだろうか。

 SaaS企業のデータ提供・分析を行う「企業データが使えるノート」運営アナリストがCEOの中川貴史氏に話を伺った。


中川貴史 カケハシCEO。東京大学法学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。製造・ハイテク産業分野の調達・製造・開発の最適化、企業買収・買収後統合マネジメントを専門として全社変革プロジェクトに携わる。2015年10月マッキンゼーシカゴオフィスから帰国し、2016年3月にカケハシを創業

――— カケハシは調剤薬局に向けた電子薬歴システム提供を行う企業。この業界における市場性や課題をどのように捉えていますか。

 薬局で働く薬剤師の方は6年間大学で専門知識を学び働き始めますが、患者さんへの薬の提供にあたっては「薬歴」と呼ばれる処方薬の記録を残す作業に非常に多くの時間が割かれている課題がありました。

 長時間労働、残業時間の増加という観点だけでなく、本来価値提供できるはずだった医師との連携や患者さんとのコミュニケーションが圧縮されている現実があり、「もっとあるべき医療の姿」を実現したいと考え、このサービスを2017年に立ち上げました。

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