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【バーティカルSaaS】 調剤薬局のDX化を進めるカケハシ 成長スピード1年で3倍の3つの要因(2/5 ページ)

調剤薬局のDX化を猛烈に推し進めるスタートアップがある。薬歴システム「Musubi」を提供するバーティカルSaaS企業、カケハシだ。導入した薬局から熱烈な支持を受け「1年で3倍の売上成長」というスピードで躍進を遂げるカケハシの戦略はどのようなものだろうか。

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――— 電子薬歴は調剤薬局全体としてはどの程度採用されているのでしょうか。

 現在、調剤薬局全体の7、8割が電子薬歴システムを採用し、残り2割が紙ベースだと見ています。電子薬歴プロダクトは歴史があり、大手電機メーカー系のサービスなどが40〜50年に渡ってオンプレミス(インストール型)で提供されてきました。私たちは、クラウド型の電子薬歴システムとして、まだシステム導入がされていないホワイトスペースを埋めつつ、既存製品を使っている層にアプローチし、市場開拓を進めています。

――— 導入拡大の勢いが見られますが、現在「Musubi」はどのくらい市場に浸透しているでしょうか。

 マーケティングリサーチを行ったところ、市場(薬剤師)の認知率は8割を超えているという結果が出ています。製品の導入もほぼ全国で進んでおり、上場も行っている大手の薬局チェーンでは全店での利用を推進しているなど、個店のみならず大手企業にも浸透しつつあります。

 成約店舗数では20年度の終わり6か月間で、月次成長率が平均10%(1年換算で2.6倍)ペースで増加をしました。

――— すごい伸びです。そのような成長の要因となるクラウドシステムとしての「Musubi」の優位性はどのような点にあるのでしょうか。

 (他社が提供してきた)オンプレ型の従来システムでは各店舗の端末に情報が蓄積されているため、患者さんの来店状況などをタイムリーに把握できませんでした。

 「Musubi」はクラウドで連携ができるため、顧客の情報も即日把握できるほか、各店舗の薬剤師が薬歴を入力する時間の可視化、患者さんのリピート率の集計などデータ分析をスピーディーにできる強みがあります。

 複数店舗を持つ大手薬局などにおいては他店舗間で情報共有ができるため、二重での説明を避けることや、服薬履歴に応じた指導できるなど患者さん側にとってもメリットを生み出しています。

――— バーティカルSaaSにおいてはプロダクトの質だけでなく、慣習や法規制といった要因によって十分に成長できないことも見受けられます。その中でカケハシが飛躍的な成長スピードを遂げている要因はなんでしょうか。

 さまざまな要因がありますが、ここでは3点にわけてお伝えをします。

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