ビジネスパーソンのためのSaaS KPI入門:SaaSビジネスで用いられるARR、ARPU あなたは説明できますか?(1/5 ページ)
ビジネス用語として定着した“SaaS”ですが、このビジネスを理解する上で欠かせないのが「SaaS KPI」と呼ばれる指標です。この記事では、SaaSビジネスにおいて、国内トップランナーであるfreeeの決算説明資料を基に、ビジネスパーソンが最低限押さえておきたいSaaS KPIの解説を行っていきます。
リモートワークが日常化する中で、SlackやZoomなど“SaaS”と呼ばれるクラウド型のソフトウェアは私たちの仕事に欠かせないものとなりました。
新型コロナウイルスの影響で苦境にあえぐ観光業界や飲食業界とは対照的に、SaaS企業の株価はリモートワーク化や政府のDX推進の後押しを受け、3月のコロナショック以降、大きく値を上げています。
現在、米国では時価総額上位100社中7社にSaaS企業がランクイン、国内に目を向けると、新興企業向け株式市場マザーズにおいても、時価総額の上位10社中、6社がSaaS関連の企業となるなど、産業として急速に台頭していることが伺えます。
もはやビジネス用語として定着した“SaaS”ですが、このビジネスを理解する上で欠かせないのが「SaaS KPI」と呼ばれる指標です。
ARRやARPU、Churn Rate(チャーンレート)といった指標を基に事業説明がなされることが多い“SaaS”ですが、「なぜそれらのKPIが用いられるのか」「何が最も重要な指標なのか」「どのように捉えるべきか」を端的に説明できる方は多くないと思います。
この記事では、SaaSビジネスにおいて、国内トップランナーであるfreeeの決算説明資料を基に、ビジネスパーソンが最低限押さえておきたいSaaS KPIの解説を行っていきます。
解説にあたっては、この決算説明資料の公表元であるfreeeファイナンス統括の原昌大執行役員にもコメントを頂きながら、そのエッセンスを理解していきます。
関連記事
- SaaSはバックオフィスの何を変えるのか
バックオフィス業務を支える便利な道具に、SaaS(サース)がある。営業やマーケティングの分野が先行して導入が進んだが、ここにきてバックオフィスにもSaaSの活用は広がっている。SaaSを導入して効率化された企業もあれば、逆にうまく活用できずに生産性が下がってしまったという企業もある。その違いはどこにあるのか。 - マネーフォワードがSaaSビジネスのKPIを開示 19年11月決算
SaaSビジネスでは、顧客ごとに業績を分析するユニットエコノミスクを利用する。いったんユーザーを獲得すれば継続的に売り上げが生まれるSaaSモデルの特性から、企業全体の売り上げやコストというよりも、顧客あたりの、獲得費用、売上高(ARPA)、解約率(チャーンレート)によって事業を評価する仕組みだ。 - SaaS企業をアナリストが分析「企業データが使えるノート」公開
クラフトデータは11月20日、アナリストがSaaS企業のKPIデータや企業分析コンテンツを行う「企業データが使えるノート」を公開した。 - すべてのビジネスはサブスクへと向かう 専用の管理基盤Scalebaseを提供するアルプの狙い
昨今大流行のSaaSビジネスだが、その管理の裏側は相当に複雑化している。サブスクリプションビジネス専用の管理サービス「Scalebase」を提供するアルプは、すべてのビジネスがサブスク化することをにらみ、専用の管理プラットフォームをSaaSで提供する。 - freee上場 クラウド会計に続くビジョンを話す
クラウド会計ソフトを提供するfreeeが12月17日、東証マザーズに上場した。公開価格は2000円で、初値は2500円となり、時価総額は約1200億円。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.