JTは「Ploom X」で「IQOS」に勝てるか 国内事業トップが「真摯に反省する」と語る理由:国内たばこ事業CEOに聞く【前編】(2/4 ページ)
国内の加熱式たばこ市場は「IQOS(アイコス)」の独走状態。それに続くのが「glo(グロー)」、JTの「Ploom(プルーム)」は3番手と後塵を拝している。加熱式たばこ市場での巻き返しを図るためにJTが進める戦略は? 同社のたばこ事業本部、国内たばこ事業CEO福地淳一専務執行役員がインタビューに応じた。
JTIとの共同開発をした理由は?
――Ploom Xは、初めて海外たばこ事業を担うJTインターナショナル(JTI)と共同開発したデバイスと聞いています。なぜ共同開発したのでしょうか。
考えてみれば、競合他社は加熱式たばこの展開当初からグローバルな体制で製品開発に取り組んでいました。要は“世界中のリソースを投入した上でデバイス開発していた”のです。しかし私たちだけが“日本は日本用のデバイス”“JTIはJTI用のデバイス”を作っていたことになり、そのためリソースが分散していました。
今ロシアで販売しているPloom Sは、日本で展開していたものとデザインや加熱する温度も違います。JT、JTIそれぞれが別のデバイスを持っていたのですが、Ploom Xは、まさに「グローバルで共通のデバイス」として展開していく予定です。
グローバルモデルには、開発のリソースを結集してお客さまに迅速に提供できる点以外にも、すごく大きな意味があると考えています。
例えば、統一のデバイスとすることで、グローバル全体で在庫管理や部品の調達ができるメリットがあります。また今回は、加熱式たばこ最大の市場である日本で先行発売しましたが、今後の展開を見据えた時に、日本のお客さまの声を基に、新たなマーケティング手法を生み出せると考えています。
一方で、たばこ製品はそれぞれの国の特性やお客さまの嗜好(しこう)に合わせることは重要なポイントです。例えば、日本ではPloom X用の製品は「メビウス」と「キャメル」のブランドで展開しています。しかし、ロシアでは現地のデバイス「Ploom S」用のリフィルとして「ウィンストン」という銘柄を発売しています。それぞれのマーケットでお客さまにご愛顧いただいているブランドや風味で展開する戦略を取っています。
デバイスは世界共通ですが、スティックはそれぞれのマーケットに合わせ、どんな商品・ブランドで展開するか。あるいはどのようなフレーバーを展開するのかは、引き続きカスタイマイズしていきます。
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