「空飛ぶクルマ」万博での実用化目指す ドローンで実証実験:機体の公開も(2/2 ページ)
SkyDriveは10月22日、2025年大阪万博でのエアタクシーサービスの実現を目指し、ドローンを使った実証実験を実施した。
世界最小クラスの機体を実現
また同日、地域住民を集めて、飛行実験の見学、空飛ぶクルマ「SD-03展示機」の機体展示を開催した。安全面の取り組みの紹介や説明、アンケートを実施し、空飛ぶクルマの理解促進につなげる狙いだ。
「SD-03」は、8枚のプロペラを前後左右の4カ所にとどめることで、世界最小クラスの機体サイズを実現。かつ、十分な揚力を得ることを目指して開発が進められている。
空飛ぶクルマは、正式名称を「電動垂直離着陸型無操縦者航空機(eVTOL:electric vertical takeoff and landing)」といい、電動化、完全自律の自動操縦、垂直離着陸が大きな特徴。
世界各国で空飛ぶクルマの開発が進んでいて、日本でも18年から「空の移動革命に向けた官民協議会」が開催され、都市部でのタクシーサービス、離島や山間部の新たな移動手段、災害時の救急搬送などにつながるものとして期待されている。日本では、23年ごろの事業開始、30年の本格普及に向けたロードマップ(経済産業省・国土交通省)が制定されている。
20年8月に空飛ぶクルマの有人飛行実験に成功した同社は、大阪府市と連携協定を結んでいて、25年の大阪・関西万博では、輸送手段としての活用が期待されている。同社の福澤知浩CEOは「25年の万博、30年の本格事業化に向けて、今後も実証実験を続けていきたい」とコメントした。
実用化に向けて、ルール作りや機体の安全性などクリアしなければならない課題は残るが、空飛ぶクルマが新たな移動手段となることを期待したい。
関連記事
- 「空飛ぶクルマ」内部が公開 実際に座って分かったSkyDrive社の狙い
空を自由に移動してみたい――。誰もが一度は考えたことがあるだろう。その夢が近い将来実現するかもしれない。有人飛行に成功した空飛ぶクルマを開発したSkyDriveが、展示用モデルの一般公開を開始した。 - 次に買いたい車 ダイハツ「タント」を抑えて1位になったのは?
ソニー損害保険が実施した「全国カーライフ実態調査」。主に運転している車のボディータイプを聞いたところ「軽自動車」が41.3%で最多となった。次に買い替える時に購入したい車は? - SUV専用タイヤが靴底に 洋服の青山とブリヂストンが作った革靴は何が違うのか
青山商事が、ソールにSUV用タイヤのトレッドパターンを採用した革靴を発売している。 - JAL、空飛ぶクルマ実用化へ 万博に向け実証実験
JALは、空飛ぶクルマを使ったエアタクシー事業の開始に向け、ヘリコプターを活用した環境調査を実施すると発表した。 - 夢の”空飛ぶクルマ”に1歩前進 JAXAとヤマトHDがコンテナの空力形状を開発
JAXAとヤマトHDは、物流電動垂直離着陸機(物流eVTOL)への装着、地上輸送手段への搭載の両方が可能な大型貨物ユニット「PUPA8801」の空力形状を開発したと発表。空力形状とは、航空機など、高速で空気中を移動する物体に作用する空気抵抗など、空気の力を考慮した形状のこと。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.