「持って出るだけ」無人店舗や、余った弁当を売るロッカー 「無人化・省人化」の最前線は:Japan IT Week 秋(3/3 ページ)
「持って出るだけ」無人店舗や、猫型配膳ロボット、余った弁当を売るロッカーなど──「第12回 Japan IT Week 秋」内「次世代EC&店舗EXPO」で展示された技術を、店舗の無人化・省人化にフォーカスしながら紹介する。
操作端末や周辺機器を、希望のデザインに
無人店舗や無人接客に欠かせないのが、顧客との情報のやりとりをする端末だ。システム開発会社が一気通貫でハードウェアまで開発している場合もあるが、希望のデザインを実現するために専門メーカーに依頼するケースも少なくない。
トマトランド(大阪府東大阪市)は、駅の無人キオスクなどで見かけるような精算機用筐体やショッピングカート取り付けスマホホルダーなど、いわゆる什器(じゅうき)を開発している。
コーポレートカラーやブランドカラーを使ってほしい、ここのこの間口にピッタリ合うサイズで作ってほしい、カートのハンドルの太さはこれでスタンドの高さはこれで……といった要望に応じて作るため、店舗側の満足度も高い。
バーコード読み取り用スマホの充電台と一体になった決済機のボディーも開発しており、店舗ごとのニーズにきめ細かく対応してくれそうだ。
タッチパネル・システムズ(神奈川県横浜市)では、システムインテグレーターとコラボしたタッチパネル搭載ディスプレイを開発している。
飲食店にあるテーブルオーダー用タブレットのようなものから、店頭にある券売機システムのタッチパネル、またPOSシステムと組み合わせたレジ用ディスプレイなども手掛けている。
タブレットには汎用性の高いWindowsやAndroidといったOSを組み込んでいるため、「要望に応じてさまざまな機能をもたせられる」とのこと。非接触決済用端末やバーコードリーダー、レシートプリンタなどを取り付けられるタブレットスタンドも要望に応じて作成する。
「電源に接続しないと使えないタイプの製品は、内蔵のバッテリーが膨張して爆発するリスクを回避しつつ、長持ちするというメリットもある」と担当者が話してくれた。
次世代EC&店舗EXPOという名称で開催されたこの展示会だが、密や接触を避け、人手不足を抱えながらも、それでもサービスの質を落としたくないという店舗運営者のニーズにかなった技術が多く生まれていることが見て取れた。スタッフを通さずとも、満足の行く顧客体験を与えられるよう、UIへのこだわりが見られる製品も多くあった。
今後は首都圏など人口密度の高いところばかりでなく、過疎化地域でもこうした技術を採用した次世代店舗が浸透していくのだろうか……と期待が膨らむ展示内容であった。
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