小田急、2022年3月にダイヤ改正 主な変更点は?:減便の傾向に
小田急電鉄は、2022年3月12日にダイヤ改正を行うと発表した。新ダイヤでは新宿方面から「片瀬江ノ島」への直通列車(特急除く)が廃止となったほか、「経堂」が終日での急行停車駅に“昇格”する。
小田急電鉄は12月17日、2022年3月12日にダイヤ改正を行うと発表した。コロナ禍での利用ニーズを踏まえ、全体的に減便を基本とした改正となっている。新ダイヤでは新宿方面から「片瀬江ノ島」への直通列車(特急除く)が廃止となり、「藤沢」での乗り換えが必要になったほか、「経堂」が終日での急行停車駅に“昇格”する。
新宿方面から「片瀬江ノ島」への直通運転を廃止
現行ダイヤでは、平日は新宿方面から片瀬江ノ島への直通便はないものの、土日祝は「快速急行」として直通便を1日38本運行している。新ダイヤでは、休日も藤沢での乗り換えが必須になる。藤沢〜片瀬江ノ島間は1時間当たり6本から5本に減便した上で、原則、各駅停車による折返運転のみに変更する。ただ、江ノ島が観光地であることを考慮し、利用者が多い、休日の午前9〜12時、午後4〜6時は1時間当たり1本増便し、現行ダイヤと同本数で運行する。
「経堂」が終日で急行停車駅に
新ダイヤでは、帰宅ラッシュ時間帯での運行を大幅に見直す。目玉の一つが、「経堂」を終日の急行停車駅にする点だ。これまで同駅では平日下りの午後6時から9時まで急行が停車していなかったが、終日の停車により、次の急行停車駅である「成城学園前」までの区間で準急・各駅停車との接続を改善し、利便性を向上させる狙いがある。
帰宅ラッシュの時間帯では、午後6〜9時頃の新宿発の各駅停車を1時間当たり8本から6本に、東京メトロ千代田線からの直通列車も8本から6本に、それぞれ減便。千代田線からの乗り入れ便に関しては各駅停車を廃止し、「準急」に統一する。
新宿〜代々木上原、代々木上原〜向ヶ丘遊園、向ヶ丘遊園〜新百合ヶ丘、新百合ヶ丘〜町田、多摩線の日中ダイヤでそれぞれ1時間当たり3本の減便になるなど、今回のダイヤ改正は全体的に減便の傾向が強い。18年3月に複々線化を開始し、増便を進めてきた小田急にとっては“後ろ向き”の改正となる。
一方で、着席ニーズの高まりを踏まえ、朝方ラッシュピーク時間帯に都心方面への直通列車の運転本数を36本から38本に増便。減便一辺倒ではなく、メリハリを利かせたダイヤ改正という見方もできるだろう。
同社によると「これほどまでの大規模なダイヤ改正は複々線化した18年3月以来4年ぶり」という。同社は、22年3月上旬ごろに公式Webサイトで新ダイヤを公開する予定。 沿線の利用者は、生活への影響を各自確認する必要がありそうだ。
関連記事
- 小田急の「特急ロマンスカーVSE」、2023年秋に引退へ 車両の経年劣化で
小田急電鉄は特急車両「ロマンスカーVSE(50000形)」が2023年秋に引退すると発表した。車両の経年劣化や、主要設備の更新が困難になったため。車両の引退に先立ち、22年3月11日で通常ダイヤでの定期運行を終了する。 - 小田急、ベビーカーシェアリングサービスを本格導入 新宿駅など3駅に
小田急電鉄は、新宿駅など3駅にベビーカーシェアリングサービス「Share Buggy」を同月7日から本格導入すると発表した。駅改札付近の専用ポートから利用でき、料金は1時間220円。事前予約は不要。 - 小田急、小児IC運賃を全区間一律50円に 2022年春から 狙いは?
小田急電鉄が、2022年春からICカードを使った小児運賃を一律50円にすると発表。同日に発表した沿線における子育て応援ポリシーの施策の一環。同社によると、小児運賃(IC利用)を大人の半額以下に一律低廉化するのは、鉄道業界初の取り組みだという。 - 学歴フィルター“疑惑”のメール誤送信、マイナビが「学歴による選別」を否定 「大東亜以下➈」の意味も明らかに
就職支援サービス「マイナビ」の運営事務局が、学歴フィルター“疑惑”のメールを就職活動中の学生に送信していた問題で、運営元のマイナビが12月7日、「不要な誤解を与えた」として謝罪した。 - 学歴フィルター? 「大東亜以下」マイナビのメールが物議 運営元は「事実関係を確認中」
マイナビから来たメールに、「大東亜以下」という“学歴フィルター”がかかっていたとするツイートが物議を呼んでいる。マイナビ側からの回答がないため、詳細は確認中だが、該当ツイートは1万リツイートを記録している。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.