初任給はどうなる? 23年卒の学生:新卒採用は増えそう(2/2 ページ)
リクルートワークス研究所の調査によると、2023年卒学生を対象にした新卒採用数が「増える」と答えた企業は10.9%。22年卒から一転して「増える」が「減る」を上回る結果となった。
初任給の引き上げが進む見通し
「初任給の引き上げ」について聞いたところ、「既に取り組んでいる」企業は21.8%、「今後取り組む予定である」企業は22.7%となり、合わせて44.5%の企業が初任給の引き上げを実施、もしくは予定していることが分かった。
業種別に見ると、「既に取り組んでいる」企業の割合は建設業と小売業でそれぞれ26.2%、26.3%と高い。「今後取り組む予定である」企業と合わせると、各52.4%、52.9%となり、人手不足に対して、初任給など待遇の改善で対応している状況がうかがえる。
機械器具製造業についても、合わせて54.7%と高い水準だった。飲食店・宿泊業は「今後取り組む予定である」企業が29.2%で最も高く、コロナ禍収束後の人手不足を見据えて、初任給の改善に意欲的な企業が多いようだ。金融・保険業は「今後取り組む予定である」企業が16.5%にとどまった。
従業員規模別に見ると、「既に取り組んでいる」「今後取り組む予定」の企業は、1000人未満の企業では42.9%、1000人以上の企業では49.2%となり、企業規模が大きいほうが割合が高い傾向となった。
より詳細に見ると、300〜999人規模の企業で「既に取り組んでいる」「今後取り組む予定である」企業は50.3%。中でも「今後取り組む予定である」企業が24.7%と高く、同社では「初任給引き上げの動きが中堅規模の企業に波及しつつある」としている。
調査は10月6日〜11月10日の期間、電話やFAXにて実施。全国にある従業員規模5人以上の民間企業4519社から回答を得た。
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