日本は遅れてる!? 中学受験ドラマ『二月の勝者』をきっかけに考える、教育とビジネススキル:背景を考察(1/5 ページ)
中学受験を扱った『二月の勝者〜絶対合格の教室〜』がドラマ化された。新しい時代に対応した問題を出す中学・高校が増えているという。教育の観点からこれからのビジネススキルを考察する。
2021年も終盤に近づいてきた。オリンピック、コロナ、選挙と盛りだくさんの年であったが、来し方を振り返り、迎える年に思いを新たにしている人も多いであろう。そんな中、ゴールに向けてラストスパートをしている人たちがいる。受験生、その家族、そして彼・彼女らを支える受験塾や予備校だ。ビックコミックスピリッツ(小学館)に連載されている『二月の勝者 ー絶対合格の教室ー』(高瀬志帆・作)は、中学受験の進学塾を題材にした漫画で、目下テレビドラマ化もされて人気を博している。今回は、日本の「受験」をテーマに、ビジネスパーソンに必要なスキルについて考察していきたい。
変質する入試問題
実際、読者の皆さんも受験に関してはいろいろな経験をされてきたと思う。数学の難問奇問、マニアックな暗記が求められる日本史や世界史、人生観を問うような小論文などだ。教科に対する得意・不得意もあいまって、受験に対してさまざまな思いをお持ちのことであろう。その入試の出題傾向であるが、今大きな変革期にあることをご存じだろうか。
次の表は「思考コード」と呼ばれ、入学試験のレベルを「必要な知識量」「思考の深さ」「難易度」という尺度で図示化したものだ。コンテンツについては、歴史という教科で織田信長を題材に私が作成した。AとBの領域においては、「織田信長に関する記述で正しいものを選びなさい」といったように、“ああこんな問題あったよね”と懐かしく感じていただけるだろう。一方、Cの領域の設問は、アングルがA、Bとは全く異なっている。入試というより、ビジネスパーソンが日々クライアントに対して実践しているような内容だ。そして今、このようなC領域の入学試験を課す中学・高校が、私立を中心に増えてきているのだ。その背景は何であろうか。
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