隠れた逸材発掘の最短ルート!? アート×ビジネスにも通じる採用テック「デザイン思考テスト」が想像以上に面白く合理的だった!:イノベーション人材をピンポイントで狙える!?(2/4 ページ)
コロナ禍で世の中の常識やルールが大きくが変わり、DX推進やSDGsへの取り組みも求められるようになったことで、自ら課題を見つけて解決する“デザイン思考力”を備えた人材が求められるようになった。従来の選考では見つけづらい人材の採用を「デザイン思考テスト」で後押しするVISITS TechnologiesでCEOを務める、松本勝氏に話を聞いた。
採用側の意識はこの1〜2年で大きく変化
新卒学生を採用する企業側でも、デザイン思考力を持った学生を求める意識が高まってきていると同社は見る。これまでの日本の教育では、与えられた問題を解いて“正解”を出すことが求められることが多く、採用においてもそういった能力の高い人材が高く評価されてきた。しかし、正解のない業務に取り組まなくてはならない社会に出ていくと、それでは立ちゆかなくなる。
「採用側の意識は、この1〜2年で大きく変化したと感じています。3年くらい前までは、“指示されたことを正確に早く遂行できる人材”を求める企業がまだ多い印象でした。しかし、これまでと同じことを続けていてはいけない、新しいものを生み出さないと生き残れないかもしれないという危機感を抱く企業が増え、それが採用に対する意識にも反映されてきた印象です」(松本氏)
「AIにいい人を選んでもらう」ことはできない
「デザイン思考テスト」は、独自のアルゴリズムで課題発見力を持った人を見つけるアセスメント※だ。そのように聞くと、“AIが自社に適した人を選んでくれる”といったイメージを抱くかもしれないが、決してそういった種類のツールではないという。「そもそも、AIだけで人を判断することはできない」と松本氏は話し、以下のように続ける。
※評価、分析すること。またそれに用いるツール
「例えば、過去の面接の評価が高かった人、内定を出した人の情報をデータとして読み込ませて、それを元に判断させるとすると、同じ特徴を持った人ばかり採用することになる“同質性”の問題が発生します。さらに、仮にこれまでの内定者に男性が多かった企業なら、そのシステムは女性の応募者を低く評価する傾向が出てしまう可能性があり、差別や人権問題につながる危険性もあります」
そのため、AIで人の善し悪しそのものを判断することは現実的ではなく、現状の採用テックでAIが使われているケースでは、面接中の表情の分析といった一部の要素にとどまっている。デザイン思考テストは、受検者同士が相互に評価を行い、その関係を独自のアルゴリズムで解析するもので、いわゆるAIによる判定とは異なる。
また、採用における“同質性”の問題は、人事担当者が面接で判断する場合にも起こるという。現時点での自社の活躍人材に近い人をどうしても「良い」と判断してしまうためだ。ところが、イノベーションを起こせる人材は、「今まで自社にいなかったタイプ」であることが多い。
デザイン思考テストは、そんな過去に採用したことのないタイプの人材を見つける上での新たな指標となることを目指したという。
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