自転車専門店「サイクルベースあさひ」が好調 “斜陽産業”のイメージ覆して急成長した理由:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/5 ページ)
自転車専門店「サイクルベースあさひ」運営会社の業績が好調だ。斜陽産業と見られた自転車専門店で、異例の急成長を遂げているのはなぜか? 独自のビジネスモデルに迫る。
自転車専門店「サイクルベースあさひ」が好調だ。
サイクルベースあさひを経営する、あさひの2021年2月期決算は、売上高694億5600万円(前年同期比16.0%増)、営業利益68億6300万円(同71.3%増)、経常利益73億2600万円(同72.5%増)と、まさに絶好調であった。
コロナ禍で非接触を求めるニーズが高まり、通勤・通学に自転車を使う人が急増。従来からの健康志向やアウトドアブームも、プラスに働いた。
店舗数は、21年9月に全国500店を達成。年末には504店となった。
特に、電動アシスト自転車の売り上げ増が業績を押し上げている。初期の頃からあった、“ママチャリ”タイプのシティバイク(シティサイクル)を上回って、車輪の小さな小径自転車(ミニベロ)や、スポーツタイプのクロスバイクが伸長。購入層は、かつて子どもの送迎などで使う女性が中心だった。しかし、老若男女を問わず購入者が増えて、通勤・通学はもちろん、運転免許証を返上したシニア世代の健康増進にも活用されている。
また、サイクルベースあさひのショップに行くと、アウトドア用品のテントなどと共に、市街地から砂利道、未舗装道までオールラウンドに快適な走行ができる、グラベルバイクが展示されていて、自転車でキャンプに出掛ける人の嗜好が巧みに表現されている。
サイクルベースあさひを運営するあさひは、自転車専門店チェーン唯一の上場企業だ。かつてはどこの町にもあった自転車屋が、大型スーパーに顧客を奪われてどんどん廃業していく中で、床面積100〜200坪ほどある広い郊外店を展開。顧客の嗜好の多様化に対応するフルラインの圧巻な展示販売で成長してきた。
サイクルベースあさひは、どのような歩みをたどって、斜陽産業と見られた自転車専門店で異例の急成長を遂げたのか、探ってみた。
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