自転車専門店「サイクルベースあさひ」が好調 “斜陽産業”のイメージ覆して急成長した理由:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)
自転車専門店「サイクルベースあさひ」運営会社の業績が好調だ。斜陽産業と見られた自転車専門店で、異例の急成長を遂げているのはなぜか? 独自のビジネスモデルに迫る。
斜陽産業のイメージを覆した
90年代に入ってからは、15万人商圏に100〜200坪の駐車場付き2階建の郊外型店舗を、年間10〜30店舗のペースで出店開始。
90年代中盤からは、PB(プライベートブランド)の開発とネット販売を開始した。また、自社倉庫の西日本物流センターを三重県伊賀市に構築。2004年にジャスダックへと上場。07年には東証1部に指定された。
上場により知名度が上がり、優秀な学生の採用を積極化。自転車にまとわりついた斜陽産業のイメージを覆したのは、業界的にも大きな意味合いを持った。
店舗とPBの拡大がこの頃より加速。豊富な品ぞろえの大型専門店、値頃感のあるPB商品、充実のアフターメンテナンスを誇るサイクルベースあさひは、顧客に支持された。企画・製造・小売の一貫体制(SPA)も確立され、「自転車業界のユニクロ」と称されるようになった。
10年代の急成長は先述した通り。その要因として、SPAを後押しする2つ目の自社倉庫、東日本物流センターが埼玉県久喜市で稼働した効果が大きい。東西の物流倉庫の確立で、売れ筋に応じた在庫確保ができるように、サプライチェーン強化を推進した。
12年には、社長が現職の下田佳史氏に交代。15年からは中期経営計画「VISION2020」において「SHIFT TO SPORTY」をメインテーマに掲げて、スポーツサイクルの普及を推し進めた。全国に30店ほどの初心者から中級者向けのスポーツ専門ショップを展開している。
一方、都市部の需要が多いデザイン性が高い自転車を取りそろえた店、電動アシスト自転車専門店、子ども用自転車専門店、リユース店など、分野を絞ったさまざまな新業態にチャレンジした。
また、17年にはカナダのスポーツ自転車メーカーであるルイガノ社のブランド「LOUIS GARNEAU(ルイガノ)」「GARNESU(ガノー)」の日本総販売代理権を取得した。
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