ヤフー川邊社長、3月末で退任へ 後任は小澤COO、「PayPay」立ち上げなどに尽力:川邊社長はZHD社長には留任
ヤフーは4月1日から、川邊健太郎社長が退任し、小澤隆生COO(最高執行責任者)が新社長に就任する。川邊社長はZホールディングス(ZHD)の社長との兼任だったが、4月以降はZHD社長には留任する一方、ヤフーでは取締役となり、ZHDの経営に専念する。
ヤフーの川邊健太郎社長が3月末で退任し、4月から小澤隆生COO(最高執行責任者)が新社長に就任する。同社が1月31日、発表した。川邊社長はZホールディングス(ZHD)の社長との兼任だったが、4月以降はZHD社長には留任する一方、ヤフーでは取締役となり、ZHDの経営に専念する。
新社長の小澤COOは1972年2月29日生まれの49歳。千葉県出身で、95年に早稲田大学法学部卒業後、CSK(現 SCSK)に入社。99年に中古品買い取りサイトなどを手掛けるビズシークを創業。03年、同社が楽天の完全子会社になったことで楽天に入社し、オークション事業担当の執行役員に。同社のプロ野球参入に伴い、05年には楽天野球団取締役事業本部長に就任した。
翌年の同社退社後は、再度起業。創業したオンラインマーケティング会社をヤフーが買収し、12年にヤフー入社。入社後、Eコマース事業の責任者に就任し、アスクル(15年8月)やZOZOの連結子会社化などコマース事業の成長に貢献した。
そのほか、取締役としてキャッシュレス決済サービス「PayPay」の立ち上げや、19年に就任したCOOとしてZHDとLINEとの経営統合を推進し、事業の多角化にも貢献した。こうした功績などが評価されての起用となった。
同社は社長の交代について「メディア事業やコマース事業、フィンテック事業などのさらなる成長を加速させるためには、新たなCEOによる迅速で機動的な意思決定と業務執行を行う新経営執行体制への移行が、最適であると考えた」と説明。小澤COOを指名した理由については「優れた戦略性と改革力、リーダーシップ、そしてヤフーの事業成長の実績などを評価した」としている。
小澤氏は社長就任に当たり「新生ヤフーでは、『!』(びっくり)や『面白さ』にもこだわりたい。情報技術を通じて、人々や社会の課題を解決する良いサービスや、日本をもっと便利にする良いサービスの提供に加えて、『!』や『面白い』と思ってもらえるユーザー体験を提供し、さらなるヤフーの成長を実現していく」と意気込みを語っている。
「爆速経営」などで知られた宮坂学氏(現東京都副知事)の後任として社長を務めた川邊氏は「小澤次期社長なら、これまでヤフーが築き上げてきたものを受け継ぎ、さらなる進化・飛躍をさせて、『良いサービス』『良い会社』をつくり、社会に貢献してくれると確信している」と期待を寄せ、小澤氏にエールを送った。
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