コラム
デジタル時代にSTPは古いのか? 「リーンスタートアップ」の本質:確かに変わった「スピード感」(1/4 ページ)
現代マーケティングの大家、フィリップ・コトラーが提唱した「STP理論」。ターゲットに自社の価値・魅力を示して、競合と差別化を図るポジショニングのことだが、近頃「もう古い」と聞くことが多くなってきた。本当にそうなのだろうか?
「完璧を目指すよりまず終わらせろ(Done is better than perfect)」。
これは、Facebook社(現Meta)の壁に描かれているという言葉だ。
Facebook社(当時)がIPO(株式公開)した際に、創業者のマーク・ザッカーバーグ氏が投資家へ向けたの手紙で明らかにしたものである。
最初から完璧を目指して開発するのではなく「設計→開発→テスト→改善」のサイクルを短期間で繰り返し、素早くFacebookをより良くていくという意味が込められたものだ。
「設計→開発→テスト→改善」というのは、取り立てて目新しい話ではなく、古くから言われている「PDCA=Plan→Do→Check→Action」と同義であると言っていい。
しかし、この言葉がマーク・ザッカーバーグ氏の名言として取り上げられることが多いのは、昨今のデジタル時代に入ってから、シリコンバレーでスタートアップ企業から大企業まで多くが採用していると言われている「リーン・スタートアップ」という開発手法が、まさにこの「完璧を目指すよりまず終わらせろ」というスタイルのマネジメント手法であるからだ。
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