ナチュラルローソンの「量り売り」 コロナ禍で模索されていた「エコ」以外の役割:あの会社の「SDGs」(1/2 ページ)
「ナチュラルローソン」が、洗剤やドライフルーツの「量り売り」を一部店舗で実施している。第1の目的はプラスチック削減だが、コロナ禍では新たな収益源として活用することも想定されていた。
連載:あの会社の「SDGs」
ここ数年、さまざまな場所で目にするようになった「SDGs」。取り組みを進める企業がある一方、コスト面や売り上げへの影響など、大きな課題に直面している企業もある。実際に導入している企業はその課題をどのように解決しているのだろうか。身近な事例から、SDGsに取り組みメリット・デメリットを考えてみたい。
ローソンが展開する「ナチュラルローソン」が、洗剤やドライフルーツの「量り売り」を一部店舗で実施している。2020年8月に直営2店舗で洗剤量り売りの実験を開始。21年2月からは5店舗において、洗剤に加えてハンドソープやボディーソープの取り扱いも開始。現在は、ナチュラルローソン9店舗、ローソン1店舗で量り売りを実施している(22年2月末時点)。ドライフルーツやナッツといった食品を販売している店舗もある。
主な目的はプラスチック削減だが、背景には別の狙いもあったという。同社ナチュラルローソン部の鷲頭裕子部長に話を聞いた。
完全セルフのサービスを提供
実際の店舗ではどのようにして量り売りサービスを提供しているのか。店舗内には、洗剤やはかりが設置されている専用のコーナーがある。まず、空の容器をはかりの上に置いて確認ボタンを押す。次に、容器に商品を詰める。再び容器をはかりに置いて重さを計ると、値段やバーコードが印字されたラベルが出てくる。利用者はそのラベルを袋やボトルに貼り、レジに持っていく。
ドライフルーツの場合、「国産輪切りレモン」が10グラム当たり86.4円、「群馬県白加賀梅 甘すっぱ梅」が10グラム当たり97.2円で提供されている。洗濯洗剤は100グラム当たり88円、シャンプーは100グラム当たり278円といった具合だ。
専用コーナーには空の容器が置いてある(無料)。容器には目盛が付いており、自分が購入する洗剤やシャンプーの量を確認できるようにしている。容器を無料にしたのは、サービスを利用するためのハードルを下げる狙いがある。また、有人ではなくセルフスタイルにしているのは、利用者が好きなタイミングにパパっと購入できるようにするためだ。
量り売りを始めたきっかけは、19年にローソンが打ち出した環境ビジョン「Lawson Blue Challenge 2050!」だ。1店舗当たりのCO2排出量を30年までに50%削減(13年対比)、食品ロスを50%削減(18年対比)、プラスチックを30%削減(17年対比)することなどを目標に掲げた。50年にはもっと高い目標を掲げている。同社は19年以前からもSDGsに関する活動に取り組んでいたが、より一層注力するのが目的だった。
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