南海電鉄、大阪・泉ヶ丘駅前の「活性化計画」始動 25年の開業目指し複合施設を建設:“ベッドタウン”から“沿線中核都市”へ
南海電気鉄道が、沿線の重要拠点である「泉北ニュータウン・泉ヶ丘」において、行政と共創で「泉ヶ丘駅前活性化計画」を始動すると発表した。
南海電気鉄道は、沿線の重要拠点である大阪府堺市の泉北ニュータウンにおいて「泉ヶ丘駅前活性化計画」を開始すると発表した。同社は中長期的施策に「まちづくりの推進」を掲げており、ストレスフリーな移動や駅を拠点とした街づくりに取り組むことで、沿線人口の増加を目指すとしている。
「泉北ニュータウン」は、高度経済成長期の住宅需要に応えるため、1967年の泉ヶ丘エリアの街びらきを皮切りに発展した大規模ニュータウン。92年には人口16.5万人まで成長したものの、2020年には11.8万人に減少。30年には10万人を割り込む予測が出ているなど、高齢化と人口減少という課題が顕在化している。
一方、25年11月には「近畿大学医学部」「近畿大学病院」が泉ヶ丘エリアへの移転を予定しているほか、21年には堺市が、泉北ニュータウンの新たな価値の創造を目指す「SENBOKU New Design」を策定。同エリアを「スマートシティ」の重点地域と位置付けるなど、街の活性化が期待できる動きも出始めている。
また、コロナ禍で自然豊かな郊外環境で暮らす・働く・訪れることが注目されていることから、同社は「泉ヶ丘駅前活性化計画」に着手し、泉ヶ丘を「ベッドタウン」という位置付けから、「次代の沿線中核都市」として発展させることを目指す。
計画では、泉北高速鉄道「泉ヶ丘駅」付近に地上4階、地下1階、延床面積約1万6000平方メートルの建物を新築する。商業施設や金融サービス、オフィスに医療施設などの出店を予定している。22年4月より順次、工事に着手し、25年10月の開業を目指す。
新築予定の建物2階には大規模な広場を設け、駅前ロータリーデッキ2階の「堺市くすのき広場」と一体化させる。そのほか、新築建物の各フロアや屋上階にも広場を設け、訪れた人がくつろげ、エリアマネジメント活動の中心地となる環境を構築する。
さらに新築する建物は、泉ヶ丘駅と移転予定の近畿大学病院などを結ぶルート上にある。そこで、堺市と連携し、バリアフリーやユニバーサルデザインに配慮した歩行者ネットワークとして構成する。
同社は、なんばから30分圏内という利便性と、自然豊かな郊外環境という快適性を持つ泉ヶ丘駅に「働く場」や「子育てを支援する機能」といった若年世代が活躍できる機会を構築し、地域課題である人口増加に貢献するとしている。
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