“営業の育成が課題”の原因は「人がいない」「時間がない」 しかし支援ツールは「利用していない」が約6割:育成の時間・人手を生むには?
営業組織の課題は「営業の育成」だと感じる経営者・営業職は3割以上──UKABU(大田区)が行った調査で、このような結果が判明した。
営業組織の課題は「営業の育成」だと感じる経営者・営業職は3割以上──営業スクリプト自動作成ツール「UKABU(ウカブ)」を開発提供するUKABU(大田区)が行った調査で、このような結果が判明した。
3割以上の企業が「営業の育成」が課題と認識
現在の営業組織の課題を問う質問に対し、最多の回答は「営業の育成」で33.0%。次いで「顧客の管理」(22.3%)、「営業組織の売り方開発」(19.3%)、「モチベーションマネジメント」(18.0%)、「営業準備の効率化」(16.7%)と続いた。
「営業の育成」を課題としてあげた企業に対し、営業育成に関する現在の取り組みを聞いたところ「そもそも営業育成に現在取り組んでいない」との回答36.7%を占めた。次いで「入社後の座学での新人研修」(24.7%)、「新人が相談をしてきたら、アドバイスをする」(24.7%)が同率2位、3位は「一定期間、育成担当を個別につけて毎日指導」(23.3%)との結果になった。営業の育成を課題視している一方で、改善に取り組むことができていない現状が浮き彫りになった。
理由は「育成スキルのある人がいない」「時間をかけるがない」
なぜ、営業育成は企業の課題となっているのか。その理由を問う設問では、「育成ができるスキルがある人がいない」(42.4%)という回答を筆頭に、「育成に時間をかける余裕がない」(38.4%)との回答が多かった。マネジメント層の不足またはマネジメント層の業務逼迫(ひっぱく)が原因と推察される。
育成にリソースを割く手助けにもなる営業支援ツール 利用率は?
現在利用している営業支援ツールを聞いたところ、「名刺管理ツール」(16.0%)を筆頭に、「基幹システム(取引実績)」(14.3%)、「SFA/CRM」(11.3%)と続いた。「利用しているツールはない」との回答も59.3%あった一方で、40.7%の組織では営業支援ツールを利用している。
多くの企業が問題視する営業育成に着手するには、人的・時間的課題がある。一方、それらの課題解決につながる営業支援ツールを利用している組織は半数にも満たない状況が明らかになった。
調査は2022年2月16〜17日、経営者・営業職300人を対象にインターネットで同社が実施した。
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