日本サッカー協会、自社ビル「JFAハウス」売却へ 三井不動産系と「100億円を超える契約」:リモートワーク定着で決断
日本サッカー協会は、自社ビル「JFAハウス」(東京都文京区)の売却に向け、三井不動産レジデンシャルと売買契約を締結したと発表した。売却額についてJFAは「100億円を超える契約」としている。1年後を目安にオフィスの移転先を検討する。
日本サッカー協会(JFA)は3月15日、自社ビル「JFAハウス」(東京都文京区)の売却に向け、三井不動産レジデンシャルと「JFAハウスの土地建物に関する売買契約」を締結したと発表した。売却額についてJFAは「売却金額については、契約による守秘義務もあることから非公表」としつつ「100億円を超える契約」としている。1年後を目安にオフィスの移転先を検討するが、JFAは「移転先については何も決まっていない状態」と話している。
リモートワーク定着 オフィス出勤率は2割程度に
JFAが売却要因に挙げるのが、リモートワークの定着だ。JFAは「在宅勤務に必要なインフラを整備し、リモートでも支障なく業務にまい進できる環境になっている。仕事と子育て、仕事と介護の両立がしやすいなど柔軟な働き方が可能になったほか、職員らの労働時間の軽減、コスト削減にもつながっている」と説明する。
実際、それは数値にも表れている。JFAによると、直近1年間の月間出勤率の平均は19.5%、最も高い月でも26.7%。オフィススペースの75%から80%が活用されていない状況だった。同じ施設内に同居するJリーグのオフィスなど「JFAハウスに入居しているテナント各社も同じような状況にある」(JFA)という。
加えて、施設の経年劣化で修繕が必要な時期を迎えた点も、売却の決め手となったようだ。日刊スポーツは今後8年間で修繕費が14億円を超えると報道している。
移転先や売却後については「何も決まっていない」
売却後の移転先や三井不動産レジデンシャルに売却後は、どうするのだろうか。JFAは取材に対し「何も決まっていないのが実情で、未定」と回答した。
売却先の三井不動産などと連携し、JFAハウスがある文京区内での移転も含め、検討する。サッカー日本代表などが練習拠点として利用する同団体保有のトレーニング施設「高円宮記念JFA夢フィールド」(千葉市)をサテライトオフィスとして活用する案も視野に入れているとし、「47都道府県サッカー協会とも情報を共有しながら合理的かつ効率的に進めていく」としている。
JFAハウスは地上11階、地下3階のオフィスビル。JR「御茶ノ水駅」に近く、1992年に旧三洋電機(現パナソニック)のオフィスビルとして完成した。その後、2002年の日韓W杯開催で得た収益などを活用し、JFAが03年に同施設を約60億円(当時)で取得していた。地下には「日本サッカーミュージアム」がある。
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