無印良品も参入、テレワークで伸びる「家具のサブスク」市場 頭角を現すプレイヤーは?:後発サブスク企業の生き残り方(2/3 ページ)
コロナ禍で定着した働き方の一つに「在宅勤務」があるだろう。働く環境が整った快適なオフィスから一転、家の「その場しのぎのデスク」で仕事をすることになった人も多いのではないだろうか。在宅勤務の質向上を目的に家具のサブスクリプションサービスを利用する人も増えたと聞く。市場が盛り上がりを見せたのは2018年ころだったが、はじまりは03年にさかのぼる。「家具メーカーから仕入れた商品を定額で貸し出す」という、差別化が難しいビジネスモデルだが、後発企業はどのように戦っていくのか? 各社の生き残り戦略を聞いた。
後発企業はどう戦う?
18年からサブスク市場のプレイヤーが増え始める中、いち早く市場に参入したのが「サブスクライフ」を運営するソーシャルインテリア(東京都渋谷区)だ。22年3月18日には約22億円の資金調達を発表した。
スタイリクス同様に、新品の家具や家電を月額で貸し出すモデルを採用。返品と買い取りどちらも選択できるようにした。返品率は10%前後と多くが買い取りに至っているという。返品された商品は同社が運営する「サブスクライフ オフプライス」というサービス上で二次流通させる仕組みを構築している。
同社の町野健社長は、サービスの強みとして「ブランド数」を挙げる。「当社は600ブランドと付き合いがあり、商品数は約12万種類です。家具を選ぶときに、一つのブランドだけで構成することは少ないと思います。照明、ベッド、机など複数のブランドを組み合わせる中で、商品数の多さはユーザーにとっての価値だと考えています。
特定のブランドだけでそろえたいという人は当社のターゲットからは外れますが、複数ブランドからセレクトする人が大多数だと考えています」(町野氏)
実際、同社のサブスク事業は成長している。22年2月のGMV(流通取引総額)は前年同期比4倍、売り上げも3倍増を記録した。これはオフィス向けの家具サブスク事業を含んだ数字にはなるものの、一般消費者へのサブスク事業も同様に伸びているという。
一方、膨大なブランド数を抱えることで、ユーザーが選択のパラドックス状態に陥り、サービスから離脱する可能性も考えられる。町野氏も課題と捉えているようで、「今後、対応する必要がある」と話した。
ただ、町野氏の指摘するように、一般的には多くの商品があったほうが好みに合った商品に出合う可能性も高くなるという。そう考えると、似たようなビジネスモデルの中で生き残るのに「数」はかなり重要な指標になり得そうだ。
ブランド数はサブスクライフの約7分の1だが、違う戦い方で勝負に出る企業にも話を聞いてみた。
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