“やらされ感”はアウト! 若者を引き付ける「オンライン研修」の模索:高まる内定者フォローの重要性(2/3 ページ)
人手不足で内定者フォローの重要性が増している。一方、感染拡大などの影響でリアルな場に内定者を集めるのは難しい。社内イベントと研修のオンラインサービス「バヅクリ」には、内定者フォローの依頼が増えている。
約100種類のプログラムを用意
バヅクリが提供するオンラインプログラムは約100種類ある。ロールプレイングやさまざまな“遊び”を通して、多角的に相互理解を深めてもらうことを目指している。具体的には、特定のテーマに沿った“お絵描き”や、劇団俳優が教える演劇ワークショップなどを用意している。
特に力を入れているのは、コロナ下で就職活動を行い、入社を控える内定者向けのプログラムだ。佐藤社長は「Z世代の目線を意識している」と語る。
オンラインで内定者同士が「名前」「出身地」「趣味」など自己紹介をするだけでは、どうしてもお互いの印象が残りにくい。そこで、バヅクリでは仕事に対する考え方や、人生観に踏み込むようなプログラムも提供している。例えば、「人生最後の1日をどう過ごすか」というタイムスケジュールを作り、参加者同士で共有している。
これは、自分の生き方と仕事の関係についてより深く考えてもらう狙いがある。「自分のキャリアプランを考えましょう」「5年後にどうなりたいか発表しましょう」といったような“教科書的”なプログラムは、敬遠される傾向がある。オンラインで“非日常”を体験できる研修のほうが、参加者の満足度が高くなり、仕事に対するモチベーションや会社とのつながりが強くなる効果が期待できるという。
また、佐藤社長によると、単なる「みんなで●●をやりましょう」といったタイプの研修は、“やらされ感”が強くなるため、内定者に支持されにくいという。いくつかのプログラムを用意し、選択できるようにすることが満足度を高めることにつながると分析している。
研修事業を通して、最近の内定者が重視する人間関係の傾向も見えてきた。同社は当初、内定者同士の価値観を共有する研修で、「みんなで仲良くやろう」と呼び掛けていた。しかし、多くの友達をつくるのではなく、自分と価値観が共有できる同期が2〜5人程度いればいいと考えている内定者が多いことが分かったため、「自分と合うような仲間を見つける」「他人の考えを理解する」といった方向で働きかけをするようになった。
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