“メタバースの原典”「スノウ・クラッシュ」、累計2.6万部突破 IT企業集まる渋谷の書店売り上げ好調:電子版も含め(1/2 ページ)
早川書房が1月に発売したSF小説『スノウ・クラッシュ』の売り上げが好調だ。同社によると上下巻と電子版を合わせて、累計発行部数2万6000部を突破しており「特に米グーグルを筆頭に、国内外のIT企業が集まる渋谷区内の書店売り上げがいい」という。
早川書房が1月に発売したSF小説『スノウ・クラッシュ』の売り上げが好調だ。同社によると上下巻と電子版を合わせて、累計2万6000部を突破しており「特に米グーグルを筆頭に、国内外のIT企業が集まる渋谷区内の書店売り上げがいい」という。インターネット上の仮想空間を指す「メタバース」への注目度の高まりが主要因とみられる。
同作品は米国の作家ニール・スティーヴンスン氏が1992年に発表したSF小説。機能不全に陥った近未来の米国が舞台で、各地で独自の都市国家が乱立し国土を分割統治する中、オンライン上に仮想空間「メタバース」を構築した世界を描いている。
米グーグル創業者なども愛読
メタバースは、英語で「超越した」「高次の」を指す「meta」(メタ)と、宇宙を意味する「universe」(ユニバース)を組み合わせた造語で、言葉の由来が同作品であることから「メタバースの原典」などと称される。
同社のオウンドメディアの記事によると、米グーグルの共同創業者ラリー・ペイジ氏やセルゲイ・ブリン氏、ビジネスSNS「LinkedIn」の創業者リード・ホフマン氏、PayPalの創業者ピーター・ティール氏なども愛読者で、その後のビジネス展開などにも影響を与えたという。
メタバースを巡っては、2021年10月に、SNSの「Facebook」を運営する米フェイスブック社が「Meta」(メタ)への社名変更を発表。同社は今後2年間で約55億円を投資し、欧州で1万人の人材を採用する方針を打ち出したことをきっかけに、注目が集まっている。日系企業でもパナソニックを筆頭に、パソナやブイキューブなどが新規参入すると発表している。
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