エアアジア・ジャパン元CEOが、北海道大樹町で挑む「宇宙版シリコンバレー」構想:政府も11億円支援(3/3 ページ)
全日本空輸の元社員で元エアアジア・ジャパン社長なども歴任してきたSPACE COTAN(スペースコタン)の小田切義憲社長。観光産業ではなく、北海道の強みを生かした産業の復活を目指す「宇宙版シリコンバレー」構想を聞いた。
まちづくりは1つの大事な目的
――北海道に住んでみてどうですか。不便さは感じませんか。
ほとんど感じないですね。最初は帯広まで70キロかけて買い物に行くのが面倒だなと思いましたが、欲しいものは、Amazonで頼めば東京の頃と比べてもプラス1日くらいで届きます。実は料理が趣味なので、近所の方々と物々交換で、野菜とか魚とかいろいろなものを頂いたり、たまに農作業のお手伝いで頂戴するとかち産の野菜などを差し上げたりもしています。これも地方に住んだときの1つの憧れだったんです。
――まちづくりは1つの大事な目的だ、というお話がありました。
当社のロケット打ち上げビジネスがうまくいくだけでなく、その町をいかにきちんと作っていくかということも、やっていかないといけません。だから今、町会議員の皆さんにも、みんなでこの町が"宇宙のまち"だということを実感できるようにしていきましょう、と話をしています。
今は大樹町もシャッターストリートが多くなっています。そこに堀江貴文さんが経営に参画している『小麦の奴隷』というパン屋ができるなど少しずつ人が増えて、より経済が回り始めている感触があります。
――日本でも民間の射場開発が増えてきていますが、大樹町の今後の展望は?
内之浦、種子島、大樹が稼働中、さらに串本、大分、下地島と現在日本には計画も含めて6つの民間射場がありますが、皆さんそれぞれの得意分野でやっていけば良いと思っています。うちの強みは展開用地の広さ。すなわち、お客さんに合わせ、テーラーメイドで射場を作っていけることが大樹町の強い部分です。
今回整備する「LC-1」「LC-2」のみならず、将来のお客さんのニーズに合わせて射場を作っていくことができます。そうすると、大樹町だけでなく周辺の更別町や幕別町にもご協力いただかないといけないかもしれません。米国はスタートアップやベンチャーを中心にマーケットが大きいですが、日本はまだまだ。まさにインターステラテクノロジズをはじめいろいろな企業に来てもらうところからですね。
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