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マツダのラージPF、CX-60プロトタイプに乗る池田直渡「週刊モータージャーナル」(6/9 ページ)

長らく話題になってきたマツダのラージプラットフォームの頭出しとして、CX-60が発表になった。さらに、それに先駆けて、山口県美祢のマツダのテストコースで、プロトタイプモデルの試乗会が行われた。諸般の都合で、大事なことをいろいろ置き去りにしつつ、まずはインプレッションから書き始めなければならない。

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インパクトの強い成分を極力排除

 さて、走り始める。トランスミッションは完全新設計で、マツダがトルコンレスATと呼ぶ新しい仕掛けになる。内容としては湿式多板電制のクラッチを使って、電子制御でクラッチミートして発進する。段数は8段。変速時にトルコンのスリップがないので、タイムラグがなくリズミカルにカツンカツンと変速する。首が揺すられるようなトルク変動のショックは無いが「いつの間に変速したのか分からない」というタイプではなく、むしろ昔のベンツのATのように小気味よく変速していくタイプである。

 発進時にはモーターのアシストがあるはずだが、特にそれは感じない。違和感がない。電制クラッチのエンゲージからスムーズでトルキー。全域を通じて速いクルマという印象が強い。欧州のディーゼルのように蹴飛ばされるような馬鹿力感は感じないが、スムーズながらも十分以上に力強い加速が味わえる。普通の人なら十分以上の加速能力であり、まず不足を感じることはないだろう。

 ちなみにこのCX-60の全体的な特徴として、インパクトの強い成分を極力排除して、ミネラルウォーターのような澄んだ味わいに整えられている。過ぎたるはなお及ばざるがごとしという言葉があるが、その言葉を実践するように、不快なレベルの過剰は丁寧に排除してある。クルマの全ての身ごなしがスムーズ。加速もまさにそういう印象だった。

 エンジンの回転乗りはスムーズで気持ち良く、内燃機関らしさが色濃く与えられている。そして大排気量6気筒に期待するものがそこに明確にあって、回して楽しいエンジンでありながら、モーターのアシストまでもが加えられて低速も苦にすることなく、全域で抜かりない能力を発揮する。

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