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経費精算とインボイス受領のTOKIUM、35億円調達で「請求書受領市場のリーダー目指す」(2/2 ページ)
経費精算やインボイス受領のSaaSサービスを提供するBEARTAILが3月31日に社名、ブランド名を「TOKIUM」に変更した。その上で、4月19日には35億円の資金調達を発表。黒崎賢一社長は「請求書受領クラウド市場のリーダーになりたい」と意気込みを話した。
35億円調達で競合と勝負
同時期に請求書受領サービスに進出したのが、名刺管理CRMで知られるSansanだ。またテクノロジーに強いLayerXもバクラク請求書で同分野に進出している。各社がこの領域に注目するのは、請求書に関する大きな法改正が2023年に控えているからだ。
インボイス制度と呼ばれるこの法改正では、登録番号や消費税率を明記した「適格請求書」でなければ、消費税の仕入税額控除が認められなくなってしまう。しかし、システムを導入せずに制度に対応しようとすると、業務が煩雑になる。そのため各社はこれを追い風と見て、注力を進めている。
TOKIUMは、マーケティングと採用の強化により、この市場で勝っていく戦略だ。豊富な資金を持つ上場企業と勝負するため、今回調達した35億円を生かす。「上場企業でも、35億円という金額を1つの製品に投資するのは勇気のいる決断だ」とビジネス本部長の松原亮氏は言う。
新たに生まれる新市場に向けて、各社の陣取り合戦が始まっている。
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