Cygames、ブシロードが仕掛けるTCG版「シャドウバース」 デジタルからアナログへの展開の狙い:エンタメを代表する2社(1/3 ページ)
eスポーツ種目としても社会的に広がっている『シャドウバース』。実際の紙を使ったトレーディングカードゲーム(TCG)への展開も進めている。このTCG版の名称は『Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)』で、スターターデッキを発売した。
ゲームをスポーツに見立てた「eスポーツ」。格闘ゲームからシミュレーションゲームまで多様なジャンルが競技となっている中、カードゲームでeスポーツの展開をしているタイトルもある。その中で知られているのが、サイバーエージェントグループのCygamesが開発・運営する『Shadowverse(シャドウバース)』だ。
『シャドウバース』は、ゲームの設計段階からeスポーツシーンへの参入を念頭に開発したカードゲームで、2016年6月にスマートフォン向けアプリとして公開した。基本プレイ料金は無料としている。『シャドウバース』はその後、同年にDMM GAMES版、Steam版をリリースし、パソコンでもプレイできるようになった。
eスポーツ種目としての広まりも見せていて、大きく個人戦と、数人で1チームを組む団体戦とに分かれている。リリース当初から、オンラインや、各地のカードショップで大会を開催した。エイベックス・エンタテインメントとCyberZ、テレビ朝日が主催する賞金制のeスポーツ大会「RAGE」でも採用されていて、優勝賞金は1000万円、賞金総額は約2000万円以上にのぼる。
また、RAGEはプロリーグ「RAGE Shadowverse Pro League」を18年に発足しており、プロチームの運営・パートナー企業には、大手企業、マスメディア、そして他のプロスポーツを運営する企業が参画した。企業の顔ぶれは、プロ野球やJリーグと遜色なく、いかに『シャドウバース』やeスポーツという新しい分野に国内大手企業が期待しているかがみてとれる。
トッププロだけでなく、10代を対象にした大会も開いている。Cygamesは全国の中学生・高校生を対象にした大会「全国シャドバ甲子園」を17年から主催しており、3人1チームの団体戦とした。優勝賞金は300万円。決勝大会の様子は日本テレビ系列のeスポーツ応援番組「eGG」でも放送した。
「全国シャドバ甲子園」は、21年に学校に縛られないチーム、20年には学校単位のチームでの参加としていた。20年の優勝校は愛知県の東海高校、決勝大会には神奈川県の栄光学園高校が勝ち残り、東大合格者数が全国上位の難関中高一貫校でも広まりを見せている。
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