ニュース
地元に帰り「女性の仕事の少なさに驚いた」──それでも仕事を諦めない人のための“養成スクール”が誕生した背景:福島県郡山市発(5/5 ページ)
地方では、女性が就ける職業が限られている場合が少なくない。Uターンで福島県に帰り「女性の仕事の少なさに驚いた」と話すのは、ハタフルアカデミーのコミュニティマネージャーの鈴木茜さんだ。この課題を打破するため、開校したWebデザイナー養成スクールのハタフルアカデミーとは、どのようなものなのか。
地方の考えをアップデートしていきたい
現在、ハタフルアカデミーでは5〜7月までのクラスが定員に達したため、8月受講生の募集を行っている。スクーリングで郡山市に通学しなければいけないにもかかわらず、片道1時間以上かかるいわきや会津からも、「詳しく話を聞きたい」と説明会に応募してくる人が後を絶たないという。
「学べる環境を福島県の主要都市に増やしていきたい」と臼井さん。「中通りだけでなく、浜通り、会津地方(福島県の3地域の呼び名)にスクールが増えれば、人材もそれだけ多く育ちます。卒業生がスタッフに回って運営することも可能なはずです。地方でも、ITで成功できる、というモデルケースを作っていきたいです」と意気込んだ。
最後に鈴木さんは次のような言葉でインタビューを締めくくった。
「何かしら実現したいと思いつつ、環境のせいもあり、その一歩が踏み出せない女性が多いです。手に職をつけること、何かを作り出すことが自己肯定感につながると同時に、チャレンジしたいというモチベーションにつながるはず。
地方で埋もれているIT人材が、自信を持ってどんどん活躍することで、地域全体の考え方を変化させられると思います。そして、社会で活躍したい女性の感じる居心地の悪さを払拭していきたいと考えています」(鈴木さん)
関連記事
- 「氷河期の勝ち組」だったのに……40代“エリート課長”に迫る危機
自分をエリートだと信じて疑わなかったサラリーマンが、社内の方針転換により出世のはしごを外されることがある。エリート意識や、能力主義への妄信が生む闇とは──? - 「優秀な社員から辞める」自業自得──希望退職という名の”企業の自殺”
希望退職を募る企業が増えている。「辞めてほしい人は居座り、優秀な人ほど辞めてしまう」と嘆く企業も多いが、希望退職の捉え方が間違っているのではないだろうか。 - 給与と労働時間、どちらを優先? 日立とパナソニックの「週休3日」は全く違う
連日「週休3日」が話題になっている。日立製作所とパナソニック ホールディングスが相次いで2022年度中の導入を検討していると発表したことがきっかけだ。しかし、日立とパナソニックの「週休3日」は全く異なるものだ。どういうことかというと……。 - ラーメン業界に黒船来航! 約90秒で「アツアツな本格ラーメン」を作る自販機がすごい
JR東京駅、羽田空港、首都高芝浦パーキングエリアで、ラーメン自販機「Yo-Kai Express」の設置が始まった。いったい、どんな自販機なのか? CEOが話す強みや戦略は? - 全国15棟のドーミーインで、「ホテルに暮らす」サブスク提供 狙いは?
共立メンテナンスは3月31日、ホテル暮らしのサブスクサービス「goodroomホテルパス」内で、新たにドーミーイン14棟のマンスリープランの提供を始めた。従来の宿泊だけではない、「ホテルに暮らす」「ホテルで仕事する」といった需要を狙う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.