吉野家、外国籍学生の就職説明会“排除”で謝罪 理由は「就労ビザ」 参加拒否の学生、他にも多数:該当者には“おわびメール”送付(1/2 ページ)
外国籍の学生に対し、国籍を理由に自社の企業説明会への参加を拒否していたとして、吉野家が謝罪した。同社は拒否した理由について「(外国籍の学生は)就労ビザの取得が困難。ビザを取得できず過去に内定を取り消したケースがあったため」と説明している。
外国籍の学生に対し、国籍を理由に自社の企業説明会への参加を拒否していたとして、吉野家が5月10日までに謝罪した。同社は拒否した理由について「(外国籍の学生は)就労ビザの取得が困難。ビザを取得できず過去に内定を取り消したケースがあったため」と説明している。一方で「外国籍社員の積極的な登用を続けている」(同社)として、組織的な外国人差別の存在は明確に否定した。
この問題はTwitterの投稿をきっかけに発覚した。就職活動中の大学生とみられるちゃんちゃんさん(@K5cc0X)は5月3日、自身のTwitterアカウントで「ハーフだけど日本生まれ日本育ち国籍日本なのに向こうから急に説明会キャンセルされたんだけど!!!こんなのアリなん。1番不快なお祈りメール」と投稿。「外国人差別なのではないか」など、吉野家への批判が殺到し、記事執筆時点(5月10日午前10時30分)までに約2万5000リツイート、約3万8000のいいねを記録している。
吉野家は取材に対し、「外国籍の方は新卒の会社説明会のご応募をいただいても参加をやむなくお断りしていた」と事実関係を認め、謝罪した。同社は「当社は『ダイバーシティ』をキーワードとし、組織の活性化を目的に外国籍社員の積極的な登用を続けており、国籍を問わず、将来的な幹部候補として中長期的な教育に基づいた雇用を主としている」とした上で「当社のこの方針に最も沿うと考える技術・人文知識・国際業務によるビザの取得を前提とすることを採用対象の条件としている」と説明した。
ただ「(外国籍は)技術・人文知識・国際業務によるビザの取得は非常に困難」として「(過去には)内定取り消しをせざるを得なくなったことが一定程度あった」という。このため「ビザの取得をできず内定を取り消された方の心情をおもんばかるあまり、結果的にお断りしてしまった」と釈明した。
内定後にビザの問題で、取り消しをせざるを得なかった過去を明らかにした同社。一方で「このような経緯があったものの、当社の外国籍の方の採用に関して説明が不足していた」(同)と自社の不備を認めた。
関連記事
- 「工場の製造が追い付かない」──ファミマの「クリームパン」、4週間で650万個販売 好調の理由を広報に聞いた
ファミリーマートが発売した「ファミマ・ザ・クリームパン」の売れ行きが絶好調だ。販売開始から8日で、クリームパン単体で220万個を売り上げた。1秒に3個売れている計算で、工場の生産が追い付かず、品薄になっているとして、一部の店舗では“お詫び”の掲示物をするほどだ。なぜここまで売れているのか。好調の要因を同社広報に聞いた。 - 吉野家、開発期間10年の「親子丼」発売 幹部の「生娘をシャブ漬け戦略」発言でPR自粛
吉野家が「親子丼」の販売を全国の店舗で始めた。2012年に販売していた商品を、10年の開発期間をかけて復活させた。ただ、伊東正明常務の外部講演会での不適切発言を受け、広報活動を自粛。同日に予定していた発表会も中止した。 - 吉野家、取締役の不適切発言で謝罪 若手女性向け自社戦略を「生娘をシャブ漬け戦略」
吉野家が常務取締役が外部の講演で不適切発言をしたとして謝罪した。同社はユーザーや講演会の受講生に対して「多大なるご迷惑とご不快な思いをさせ、深くお詫び申し上げる」と陳謝している。 - Web会議ツール「Zoom」が規約変更 無料プランの2人会議、時間無制限→40分制限に
Web会議ツール「Zoom」を手掛ける米ズーム社が、「ベーシックプラン」(無料)のアカウント対象の利用時間について、新たに一律40分の時間制限を導入すると発表した。5月2日以降、無料アカウントが主催するWeb会議には40分の制限を一律に適用する。 - ドンキの“NHK受信料を支払わなくていいテレビ”、売り切れ店舗続出 2月中旬から再販へ
「ドン・キホーテ」が2021年12月に発売した「ネット動画専用スマートTV」を2月中旬に再販すると、運営元が明らかにした。初回生産分6000台を各店舗で販売していたが、売り切れになる店舗が続出。6000台の追加生産に踏み切っていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.