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新卒年収4000万円も ファーウェイ「天才少年」を世界で公募開始浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(5/5 ページ)

中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)は2019年6月、世界から「天才少年」を招聘すると表明し、以降、破格の待遇で中国のトップ大学から20代の新鋭をかき集めてきた。そして先月、世界に向け「学歴不問、5倍の年収」で天才少年の公募を開始。日本からも優秀な若手研究者が採用されるかもしれない。

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 今年1月にはロシア人2人が、天才少年枠でファーウェイに入社した。プログラミングのオリンピックと呼ばれる「国際大学対抗プログラミングコンテスト(ICPC)」の20年大会優勝メンバーであるヴァレリア・リャブチコワ氏(22)と、その後輩(恋人ともいわれている)のイリヤ・フリュストフ氏(20)だ。

 リャブチコワ氏は学生時代からファーウェイと交流があり、ICPC2020で優勝(21年10月)した2カ月後に入社し、現在はロシアの研究所でアルゴリズムや機械学習の研究を行っているという。


21年10月のICPC2020で優勝し、トロフィーを掲げるリャブチコワ氏(前列左から3番目)(出典:ICPC公式サイト

リャブチコワ氏(左から2番目)とフリュストフ氏(左から4番目)(出典:ロバチェフスキー大学

 ファーウェイはこれまで、関係の深いトップ大学や学会、協賛する大会などを通じて、「天才少年」に目を付け、招聘してきたと思われる。今回、「学歴不問」で世界に向けて人材を公募したのは、同社がリーチしきれていない「天才」「異才」を広く探し求める狙いがあるのだろう。

 ファーウェイはこれまでも、海外のトップレベルの研究者を招聘するために、その国に研究施設を設立しチームごと招き入れるなど、人材獲得に異常なほどの熱意を注いできた。年内に日本も含めた先進国からの「天才少年採用」が生まれるかもしれない。

筆者:浦上 早苗

早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育などを行う。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。帰国して日本語教師と通訳案内士の資格も取得。
最新刊は、「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。twitter:sanadi37

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