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女性管理職比率51%のイケア 3店舗兼務の女性店長に聞くキャリアの歩み方自分で手を挙げないと変われない(3/3 ページ)

2020年から東京都内に相次ぎ出店し、新たなファンを開拓しているスウェーデン発祥の家具大手イケア。この都心3店舗(原宿、渋谷、新宿)の店長を、一手に担う女性がいる。本社の受付業務からスタートし、都心型店舗の責任者を務めるに至った女性店長に、これまでのキャリアや仕事観を聞いた。

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面接官が語った「イケアを一言で表すと…」

 青木さんは、入社試験で面接官が語った言葉を今でも覚えているという。

 「イケアを一言で表すとどういう会社ですか」と尋ねた青木さんに、面接官は「フリーダム・アンド・リスポンシビリティ」(自由と責任)と答えた。

 その時は特段、胸に響いたわけではなかったが、入社してその言葉通りだと実感した。


4月にリニューアルした渋谷店の店内を案内する青木さん(筆者撮影)

 「イケアではリーダーシップはマネジャーだけでなく、全員が取るもの。リスポンシビリティが伴っていれば、フリーダムが可能。責任が伴っていればポジションに関係なく提案が通る」(青木さん)

ジェンダーバランスの達成目指すイケア

 現在、イケア・ジャパンは国内で12店舗を展開する。同社によると、このうちの6店舗(Tokyo-Bay、原宿・渋谷・新宿、立川、長久手)の店長を女性が務めている。

 イケアでは展開するすべての国、階級、役職で、50対50のジェンダーバランスの達成を目標に掲げる。イケア・ジャパンでは21年7月に、女性管理職の割合が51%に達した。

 福利厚生面でも「ジェンダーの平等」を徹底する。イケア・ジャパンでは、パートナーについて「配偶者、もしくは配偶者ではないが12カ月以上に渡り同じ住所に住民登録している者」と定義し、法律婚、事実婚、同性婚を問わずパートナーとして同じ福利厚生を受けられるようにしている。


自身のモットーについて青木さんは「人にも物にも思いやりを持って行動できる人間になりたい。あと、どんな辛いときも笑いを忘れず、ポジティブでいようと思っています」(写真:イケア・ジャパン提供)

 店長として日々、チームの先頭に立つ青木さんは、イケアが大切にするバリュー(価値観)の1つである「連帯感」の強さを、日々実感しているという。

 「コワーカー(従業員)がお互いをサポートする文化が根付いていて、日本だけでなく出張先の海外の店舗でも感じられる」(青木さん)

 今年で勤続17年を迎えた青木さん。今後のキャリアについては、“イケアのアイデンティティ”とも言える郊外型店舗の店長や、フィンランドの店舗の店長も機会があれば挑戦したいという。

 「今の立場で仕事ができているのは、周りの人のサポートのおかげ。恩返しすることはできないけれど、部下や仲間に『恩送り』ができるといいなと思います」

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