ドワンゴ、「ゆっくり茶番劇」商標権放棄交渉や無効審判請求へ 相談窓口も開設
動画サービス「ニコニコ動画」などで親しまれてきた「ゆっくり茶番劇」が第三者に文字商標として登録された問題で、運営元のドワンゴが商標権者に対して放棄交渉を始めると発表した。放棄に応じなかった場合は、商標登録の無効化を目指し、無効審判を請求する。
動画サービス「ニコニコ動画」などで親しまれてきた「ゆっくり茶番劇」が第三者に文字商標として登録された問題で、運営元のドワンゴは5月23日、商標権者に対して放棄交渉を始めると発表した。放棄に応じなかった場合は、商標登録の無効化を目指し、無効審判を請求する。また、第三者による商標の独占化を防ぐため、関連する「ゆっくり」系の複数の文字列を特許庁に商標登録する方針も示している。同社は商標出願について「権利行使のための出願ではない」としている。
この問題は、「柚葉」を名乗るYouTuberが5月15日に「ゆっくり茶番劇」を商標登録した上で、年間10万円の使用料を請求すると自身の公式Twitterアカウントで発表したことで問題が表面化。ドワンゴによると、ニコニコ動画では10年以上の歴史と80万本以上の作品数があるといい、動画投稿者らが培ってきた“文化”を独占し、“商標ビジネス”として私物化する動きに、多方面から反発の声が挙がった。
無償の相談窓口も開設 クリエイター保護へ
これを受け、ニコニコ動画の代表で、同社の栗田穣崇COO(最高執行責任者)は、法務部と担当の法律事務所と相談すると自身の公式Twitterアカウントで発表。20日に同社は、「『【ゆっくり茶番劇】<動画タイトル>』や『【ゆっくり劇場】<動画タイトル>』のような動画をニコニコ動画に投稿することは、当該商標登録にかかる商標権を侵害することはなく、問題はない」との声明を出した。
商標権の権利者はその後、権利放棄する方針を示したものの、現時点でも商標権を保有している。このため、今後動画投稿者らが商標使用料を請求される可能性があるとして、無償の相談窓口を5月23日付けで開設した。請求された内容に応じて、動画投稿者らに警察や法律事務所などを同社が紹介する。
ドワンゴは「今後とも関係各所と連携を図りながら、ネットクリエイターの方々が安心して、創作活動を楽しめる環境を守っていく」としている。
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