テクノロジーを賢く使う「次世代スーパー」がやっている、“勝ち組企業”になる法則3選:国内の事例(2/2 ページ)
スーパーやコンビニなど、小売りが新技術を取り込むにはどのようにすればいいのか。リテールテック活用に取り組む際のポイントを考察する。活用のポイントは3つある。
ポイント(3):メタコマースで変わる、リアル店舗とデジタルの関係
新たな顧客体験の創造という観点では、小売りのメタバース化、いわばメタコマースについての取り組みが高級消費財や百貨店、アパレルといった業界で盛んに取り組みが行われている。その流れは食品チェーンストアにも波及し、娯楽性や没入感のあるコンテンツで新たな顧客体験を提供しファンを獲得することが重要になってくると、筆者は予想している。そうなると、バーチャル空間での課金だけでなくeコマース、リアル店舗での販売への貢献も見込まれる。
ローソンはVR空間イベントの「バーチャルマーケット」に出店し、その場で撮影した写真でオリジナルパッケージの商品を作る「オリジナルからあげくん」制作といったバーチャル体験コンテンツや、有名VTuberの1日店長などのバーチャルイベントを行った。VR空間の訪問者をリアル店舗に呼び込む仕組み、バーチャル空間ならではの商品づくりについては、模索はもうしばらく続くだろう。
3点に果敢に取り組んだ企業から“勝ち組”が生まれる
利便性をレジ待ちゼロで磨き上げ、買い物代理人として顧客に寄り添い、メタコマースで顧客体験を創造する。この3点に果敢に取り組んだ企業の中から、次の勝ち組が生まれる。リテールテックの活用に成功している企業の共通点は、業界の垣根を超えてエコシステム全体の取り組みとしてテクノロジーを導入していることである。
自社を顧客の課題解決のためのエコシステムの一部として捉え、既成概念にとらわれず他業界やスタートアップ企業などとも協業することが、POCや実運用への導入に近づくカギとなる。 今後も、5G高速通信のポテンシャルをフル活用した新たな顧客体験が生まれていくだろう。今、取り組みを始めても遅くはない。
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