SDGsを発明した人は本当に頭がいい、皮肉な理由:スピン経済の歩き方(1/6 ページ)
ここ数年、「SDGs」(持続可能な開発目標)を耳にすることが多くなった。17の目標はどれも必要なものかもしれないが、実践することによって日本はどのようなメリットを手にすることができるのだろうか。
最近やたらと「SDGs」(持続可能な開発目標)というキーワードを耳にしないだろうか。
それもそのはずで今、テレビではSDGs啓発キャンペーンに力を入れているのだ。例えば、日本テレビ系列では「Good For the Planetウィーク」(通称、グップラ)というキャンペーンを展開。情報、バラエティー、報道などすべての番組で、朝から晩までSDGs事例を紹介している。また、フジテレビ、BSフジ、ニッポン放送も3社合同で「楽しくアクション!SDGs」を展開して、さまざまな番組でSDGsを扱っている。
では、なぜこんなにテレビ局がゴリ押ししているのかというと、日本のSDGsの取り組みがまだそれほど進んでいないことも大きい。
今年3月に公表された、中小企業基盤整備機構のSDGs理解度調査によれば、中小企業の約6割が、「理解していない」「あまり理解していない」「どちらともいえない」と回答、またSDGsに既に取り組んでいる、取り組む予定があると回答をした企業は3割にとどまった。
ご存じのように、日本企業の99.7%は中小企業。わずか0.3%の大企業がSDGsだ、エシカルだと力を入れても、日本全体のインパクトは小さい。そこでテレビ局がガツンとテコ入れに動いたというわけだ。実は、日本の大手マスコミやメディア企業のほとんどは、「世界中の報道機関とエンターテインメント企業に対し、その資源と創造的才能をSDGs達成のために活用するよう促す」(国際連合広報センター)ことを目的とした「SDGメディア・コンパクト」に参加しているのだ。
ただ、そんな国をあげての「SDGs啓発」に対して「うさん臭い」と異議を唱えている人たちもわずかながらに存在する。5月27日に『SDGsの大嘘』(宝島新書)を上梓した生物学者の池田清彦氏もその1人だ。
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