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倒産から“復活” 匠紀の国屋、2店舗をオープン 昼過ぎにすべて売り切れ開店前から列

倒産した和菓子店「紀の国屋」の元従業員らを雇用し、新ブランドとして立ち上がった「匠紀の国屋」が6月3日、2店舗をオープンした。店先には開店前から客の列ができた。

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 倒産した和菓子店「紀の国屋」の元従業員らを雇用し、新ブランドとして立ち上がった「匠紀の国屋」が6月3日、2店舗をオープンした。店先には開店前から客の列ができた。


「匠紀の国屋 国分寺店」では開店前から列ができた(6月3日、東京都国分寺市)

 この日オープンしたのは、国分寺店(東京都国分寺市)と東大和店(東大和市)。初日は、看板商品だった「相国最中(しょうこくもなか)」の味を再現した最中「大納言」988個、「栗あん」992個を準備し、店頭に並べた。価格はいずれも220円に設定。商標権の問題があり、商品名やデザインは変更した。どら焼きやあわ大福は6月半ば以降に販売を始める予定だという。


紀の国屋の看板商品だった「相国最中」の味を再現した商品

 国分寺店では午前9時半のオープン前から、約10人が列を作った。開店と同時に、従業員が出てきて「このたびはご心配をおかけし申し訳ありませんでした」と客に頭を下げた。「匠紀の国屋」の運営を担うアイ・スイーツ(東京都文京区)の稲垣富之社長も店先に立ち、購入した客に「今後ともよろしくお願いします」とあいさつしていた。


紀の国屋の看板商品だった「相国最中」(同社提供)

 開店前に並んだ50代の女性は、「突然の廃業は本当に驚いた。好きだった菓子を再び味わえるのがただただ嬉しい」と笑みを見せた。別の30代の女性も「地元のお菓子はなくなってほしくない。あわ大福が早く食べたい」と話していた。

 両店舗とも午後1時頃には完売したという。稲垣社長は「元従業員200人のうち雇用したのはわずか20人。残る180人の中には仕事が決まっていない人もいる。その人たちの思いを十字架のように背負って、とにかく私たちは地域の皆さまに愛されて育てていただきたい、そんなスタンスで運営していきたい」と話した。


最中「大納言」には「甘味求真」の文字

 紀の国屋は5月16日に倒産を発表。10日後の26日にアイ・スイーツが元従業員20人を雇用し「匠紀の国屋」として再始動することを発表していた。

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