「ポケモン」は10兆円産業! GAFAや集英社がゲームビジネスに注目する3つの理由:経団連も注目(4/4 ページ)
ゲームがビジネスとして注目される理由を、3つの視点から解説します。
「ハイリスク・ハイリターン」のゲームビジネス
一方で、表があれば裏がある通り、デメリットも当然あります。ゲーム開発は、少人数で開発するインディーズゲームを別にすれば、数年間で億単位の先行投資を要求されるのも珍しくありません。さらに実際に作って動かさないとハッキリしない面もあります。企画段階では傑作でも、動かすとダメ……というのはあり得ます。
またクリエーターの才能に依存する度合いも高く、その分リスキーです。“三顧の礼”で招いたクリエーターが、早期の結果を求める経営陣と対立するとか、労務管理ができず、開発期間が延びること(コスト増)もありえます。
ゲーム以外のアニメ、マンガなどクリエイティブなビジネスは、やってみないと分からない。その中でもゲームは、先行投資が大きく、業績のブレも激しいのです。その代わり、成功時の爆発的リターンが見込める「ハイリスク・ハイリターン」なのです。
ゲームビジネスは「我慢」との戦い
ゆえにプロジェクトを並行するなどのリスク分散が必要になります。野球に例えると、打席数を増やしてバットを振ることが大切で、打席に立ってスイングしない限りホームランは出ません。
即座の結果を求めたくなるのがビジネスですが、ゲームは「我慢」との戦いです。多くの大手企業が挑戦し、敗れ去った歴史もあります。それでも、成功時の巨額の利益と、コンテンツが持つソフトパワーの力は、実に魅力的でしょう。
書き手:河村 鳴紘(かわむら・めいこう)
ゲーム、アニメ、マンガなどを主戦場にするフリーランスのサブカルライター。ヤフーオーサー、マンガ大賞選考員。メディア所属時には、決算会見や各発表会に参加し、独自記事なども執筆。20年以上ゲーム業界を中心に取材している。2020年5月、「ドラゴンクエスト」大ヒット連発なぜ? 30年前の伝説の熱狂」でヤフーニュース個人の記事を顕彰するMVAを受賞した。「文春オンライン」や「Number Web」(ともに文藝春秋社)などでも記事を執筆。静岡放送などでラジオに出演することも。
ヤフーニュース個人:「河村鳴紘のエンタメ考察記」
Twitter:@kawamurameikou
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