斬新! 「カゴがなくても荷物を運べる自転車」はなぜ生まれたのか:3分インタビュー(3/3 ページ)
自転車に荷物を載せるには前カゴを使うのが当たり前――そんな常識を変える商品が発売された。自転車専門店DAIWA CYCLEが発売した“カゴがなくても荷物を運べる”自転車「トートバイク」だ。その開発背景を聞いた。
――コロナ禍で自転車に乗る人も増えたようですが、自転車のトレンドは変化していますか?
金子: 最近は電動自転車とスポーツバイクの人気が高いです。普通のいわゆる“ママチャリ”と呼ばれている自転車に乗っていた人が、電動自転車やクロスバイクにスイッチしている印象があります。
お客さまのニーズが多様化していて、いわゆる普通の自転車がだんだん売れにくくなっています。気に入ったものにはちょっと高くてもお金を出す風潮が自転車業界にも来たと感じています。
――なるほど。そのようなトレンドも踏まえ、トートバイクの開発に至ったのですね。今後の展開なども考えていますか?
金子: トートバイクの反響次第ですが、同じ技術を電動自転車やスポーツバイクに応用できないかと考えています。また、「子乗せ自転車」に搭載することも検討しています。例えば、子どもを乗せて公園に遊びに行く場合、荷物を持っていけないという悩みが出てきます。
おもちゃやボール、子ども用のペダルなし自転車「キックバイク」などを持っていきたいのに、カゴ1つでは足りない――。そのような悩みの解消にすごくフィットするのではと考えています。
――発売後の反響はありましたか?
金子: トートバイクの発表後、お店に足を運んでくださるお客さまも多く、スタッフからも、新商品として今までにないぐらい良い出だしであると聞いてます。既に購入して頂いたお客さまもいます。今後、購入者層などを分析して男性向けのカラーリングの展開なども検討したいと思っています。
――ちなみに、自転車で人気のカラーは何色ですか?
金子: 売れ行きだと、白、黒、ネイビーがトップ3です。やはり定番の色を購入する方が多いですね。トレンドでいうと、今年はイエロー系が人気です。
帝国データバンクの調査によると、2020年度の自転車販売市場(事業者売上高ベース)は2100億円を超え、過去最高を更新した。コロナ禍が拡大・長期化し、感染リスクの低い移動手段として自転車が見直され、通勤・通学用として人気が高まったという。また、1台当たりの価格は5年前の3万4000円台から1万円高い4万7000円台と、自転車の高額化も進んでいる(関連記事)。
自転車にも個性を――。カゴ代わりのフレームには、そんなDAIWA CYCLEの思いがたっぷり詰まっていた。
(終わり)
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