イーロン・マスクは許さない? 世界で広がる「デジタルノマド」とは:世界を読み解くニュース・サロン(6/6 ページ)
コロナ禍で普及したリモートワークに関連して、「デジタルノマド」と呼ばれる働き方に注目が集まっている。観光業などが注目する「デジタルノマド」とは。
世界に3500万人いる「デジタルノマド」はどんな人か
現在、世界には3500万人のデジタルノマドがいるといわれている。男女比はほぼ同じで、意外なことに平均年齢は40歳で、そう若くはない。それなりに仕事を身に付け、1人でも場所を選ばずに仕事ができるようなキャリアを築いてきた人が多いようだ。人種で言えば、米国人やドイツ人、ポルトガル人、ブラジル人が多く、職種は、マーケティング関係の仕事やIT系デザイナー、ライターなどが多い。
リモートワークができて、出身国でそれなりの収入があれば、日本にいようがスペインにいようが、どこにいても仕事はできる。国外の空気の中で気分転換をすれば、仕事がはかどるのかもしれない。
今後、リモートワークはさらに広がっていくとの予測もある。キャリア専門サイト「ラダース」の調査によれば、北米だけを見ても、22年中にすべての仕事の25%はリモートになるだろうと指摘している。23年も、引き続きリモートワークは増加するという。
そうなれば、デジタルノマドという言葉をよく耳にするようになるだろう。こうした状況になれば、イーロン・マスクはどのように感じるのだろうか。SNSで「許せない」といった言葉が並ぶはずだ。
筆者プロフィール:
山田敏弘
ジャーナリスト、研究者。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフェローを経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)。近著に『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』(文春新書)がある。
Twitter: @yamadajour、公式YouTube「SPYチャンネル」
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