「買うのが恥ずかしい」けど売れている ドンキ、6種類の新型ボクサーパンツ開発の背景:担当者に聞いた(4/4 ページ)
ドン・キホーテが3月に発売したボクサーパンツが好調だ。男性特有の細かい悩みや不安に対応するのが目的。全6種類を開発した背景は?
ユニークな名前の理由
新しいボクサーパンツは、オリジナルブランドの新シリーズ「ドンキ・テクノロジー」の商品として位置付けられている。テクノロジーのチカラで、個々の悩みを解消しようという狙いだ。
プレスリリースや公式Webサイトをみると、宇宙飛行士や惑星といった宇宙をイメージしたイラストが並んでいる。こうした世界観を作り上げた理由は、「宇宙」=「テクノロジー」と連想したからだという。また、過去にユニクロがヒートテックを海外で展開する際、機能性をアピールするために「ジャパンテクノロジーウェア」と表現していたことも影響している。宗村氏は「未知なる世界に誘いたいと考えた際、宇宙をイメージしました」と語る。
商品名が「かるック」「むれナック」「もれナック」「のびック」「さらテック」「ポジテック」となっているのは、テクノロジーと商品の機能性を掛け合わせたためだ。商品名を考える際は、「『もれテック』とすると、漏らしてしまいそうなので、『もれナック』にしよう」といったやりとりをしたという。
ドンキでは、プライベートブランド「情熱価格」における商品力向上のため、客からのダメ出し募集サイト「ダメ出しの殿堂」を2021年2月末に開設している。商品に対する細かい要望を吸い上げ、商品企画に反映しようという取り組みだ。現時点で、新型ボクサーパンツに対してどのようなダメ出しが寄せられているのか。
例えば、「『もれナック』をレジで購入する際に、恥ずかしい」という声が寄せられているという。尿漏れを防ぐという機能を分かりやすくアピールするために「もれナック」としたことで、レジの店員に「この人は尿漏れに悩んでいるのか」と伝わってしまう懸念がある。この点に関し、宗村氏は「分かりやすさと恥ずかしくなさの両立が今後の課題の一つだと認識している」と説明した。また、色や柄を増やしてほしいという声もあるため、そういった点にも対応していく考えだ。
今後、ドンキ・テクノロジーのラインアップは、ボクサーパンツだけでなく、Tシャツなどにも広げる予定だという。宗村氏は、「Tシャツでいえば、『乳首が透けない』など、エチケットに関連するような商品を考えています」と今後の方向性を語った。
人に話しにくい男性特有の悩み・不安を解消しようとするドンキの狙いはどこまで支持されるか。
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