アート作品「時間を買える貯金箱」が話題 ダイソー時計と“ラズパイ”を活用 制作者の思いを聞いた:「時は金なり」を立体化したら?(2/4 ページ)
「時間を金で買う行為を立体化した」とするアート作品がTwitterで注目を集めている。制作者に作品に込めた思いを聞いた。
制作費用は約5000円 きっかけはTwitterでの雑談
BBコリーさんによると、制作費用は約5000円。費用の大半をコインセレクター(約3000円)が占め、プログラミングに使用した基盤(ラズパイ)も550円と安価なものだ。「指定した位置に止まりやすいよう通常のモーターではなく、ステッピングモーターを使用した」とBBコリーさん。販売元のダイソーも、時間計測ではなく、分解されてモーターと接続され、まさかアート作品の一部として活用されるとは思いもしなかっただろう。
そんな作品を制作するきっかけは、Twitterでのクリエイター仲間との雑談だった。Twitterの音声配信サービス「Spaces」(スペース)の雑談枠に集まった同業者から「時間を貯金できるような貯金箱があれば、貯金したい」という話題が出た。
一見、たわいもない雑談だったが「いいなと思った」というBBコリーさん。夏季ボーナス支給直後で、財布事情にも余裕があったこともあり、制作を決めた。BBコリーさんは、普段は工場インフラ系のエンジニアとして勤務しているが、平日の仕事終わりや週末の時間を活用して、約9日間で完成させた。
コンセプトは「時は金なりの立体化」 富裕層の課金スタイルに着目
取材では、作品のコンセプトと制作の狙いを解説してもらった。時間に価値を見出すことわざ「時は金なり」に着想を得て、立体的に表現した。BBコリーさんが制作時に着目したのは、富裕層の時間の使い方だ。一般的なビジネスパーソンは、仕事と家事の両立や、電車・バスなどの公共交通機関に運賃を払うなど、費用を抑えるために時間を犠牲にするケースが多い。
これに対し富裕層は、家事代行サービスを利用することで、家事の時間をカットし、浮いた時間を仕事に充てるようなケースがある。専属の運転手やプライベートジェット機を保有し、公共交通機関のダイヤに縛られない移動もしている。また、そこで捻出した移動中の時間を業務に充てるような企業経営者もいる。BBコリーさん曰く「富裕層は時間に課金するようなお金の使い方をしている」という。
「今の現代社会で、多くの人が一度は持ったであろう『お金で自由に時間をゲットできたらいいのに』という願望を叶えるべく、強い意気込みで制作した。大げさにいうと人類に問いかけた形で作った」(BBコリーさん)
同業のクリエイターへの思いも
作品に込めた思いはもう1つある。それは「時間制約からの解放」だ。作品制作のみで生計を立てる、プロの専業クリエイターがいる一方で、大半のクリエイターは仕事を掛け持ちしながら作品を制作している。BBコリーさんも、そうしたクリエイターの一人だ。
クリエイター仲間の動向をTwitterで見ていると「『今日も残業で、制作作業ができない』というツイートをよく見る」という。「作品のようなものが実在すれば、実働時間を24時間以上に増やすことができ、その時間を制作活動に充てることができる。仲間への思いも込めた」。BBコリーさんは作品に込めた思いについて、そう語る。
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