快活CLUBは、セブンのようになるかもしれない 親会社のAOKIを追い越す日:「自遊空間」を買収(2/3 ページ)
AOKIHDが「スペースクリエイト自遊空間」を運営するランシステムと資本業務提携を締結し、6月8日付で連結子会社化する方針が発表された。実はこの2社、意外な前身を持ち、時代の変化による業態転換で今のかたちとなったことをご存じだろうか。
経営規模を拡大する快活CLUBがAOKI系列だと知られていない?
一方の「快活CLUB」を運営する快活フロンティアの前身企業は「貸衣装店の運営会社」として1996年に設立されたもの。
貸衣装事業は98年に終了、2000年に紳士服チェーンAOKI系列のカラオケ店「コート・ダジュール」事業(現在も快活フロンティア運営で一部店舗が営業中)を譲り受けて「カラオケ店の運営会社」となり、同年にAOKI子会社として分社独立した(のち08年にAOKIHDの完全子会社化)。
03年7月には現在の主力事業である複合カフェ業態「快活CLUB」1号店を出店。他社とは一味違った「南国リゾートをイメージした特徴的な内装」や「無料朝食」は話題を呼び、10年代以降はAOKI店舗が少ない西日本でも積極出店するなど、徐々に経営規模を拡大。21年4月の高知県初出店を以て全都道府県への出店を果たしている。
ちなみに「コート・ダジュール」は南仏にある人気リゾート地の地名。快活CLUBの南国リゾート地のような特徴的な内装もこの流れをくんだものであろう。
さて、そもそも「快活CLUB」が紳士服のAOKI傘下ということを知らない人も多いかもしれない。
AOKIHDの22年3月期の売上構成比は、本業である「ファッション事業」(主に紳士服の「メンズプラザAOKI」)が約56%(約886億円)であるのに対し、快活CLUBなどの「エンターテイメント事業」は約36%(約569億円)を占める。
コロナ禍以前から紳士服を主とするファッション事業は苦しい状況となっており、近年は「AOKIを快活CLUBへと業態転換する」という事例もみられるようになった。
自遊空間を運営するランシステムの22年6月期の売上高は約43億円であり、快活フロンティアの売上高と合わせると600億円を超え、ファッション事業に肉薄することになる。
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