ホンダが“乗り物酔いしづらい”車を開発 きっかけは社員も酔ってしまった3列目:ステップワゴンを全面刷新(1/4 ページ)
ホンダが「STEP WGN(ステップ ワゴン)」を7年ぶりに全面刷新した。新型ステップワゴンは「乗り物酔いをしづらくする工夫」を施したという。なぜホンダは乗り物酔いに注目したのか。
ホンダが定番のミニバン「STEP WGN(ステップ ワゴン)」を7年ぶりに全面刷新した。ステップワゴンは1996年に発売して以降、子育て層から支持されていたが、人気は徐々に低迷していた。今回のフルモデルチェンジによって巻き返しを図る。
新型ステップワゴンはデザインの大幅刷新に加えて、乗る人が自由に居場所を選べるシートアレンジの採用、快適な乗り心地を追及したほか、「乗り物酔いをしづらくする工夫」を施したという。
「乗り物酔いをしづらくする工夫」、なかなか聞かない言葉である。ホンダは乗り物酔いしにくい状態をどのように捉え、新型ステップワゴンにどのような機能を追加したのだろうか。
なぜ「乗り物酔い」に注目した?
車の改良と聞くと、「デザイン」「走行性」「燃費」などを思い浮かべがちだが、なぜホンダは「乗り物酔い」に注目したのだろう。
四輪事業本部ものづくりセンターLPL(シニアチーフエンジニア)の蟻坂篤史氏は開発にあたり、先代のステップワゴンと自社・他社製品を乗り比べてみたという。ステップワゴンのメインターゲットは30〜40歳代の子育て層であるため、家族での利用を想定し、蟻坂氏は“おじいちゃん役”で3列目に乗車した。
「3列目に乗ったとき、乗り心地が悪く、結構つらいなと感じました。視界も悪く、頭が揺れることに加えて、騒音で会話が成り立たない。疎外感と圧迫感があり、長時間乗車した場合酔ってしまうのではないかと考えました。実際に同乗メンバーが酔ってしまい、急きょストップしたケースもありました」(蟻坂氏)
実際に利用者からも「運転中少しの段差で揺れる」「3列目シートが硬い、小さい。乗り心地が悪い」などの意見が寄せられた。
「乗り物酔い」は開発において1つのキーワードになるのではないか。そう考える中で、利用者に「もし乗り物酔いしにくいクルマがあったらどうですか?」とアンケート調査を実施したところ、80%近くが「乗り物酔いしにくい車があればほしい」と回答。「子どもが実際に乗り物酔いに苦しんでいるから、いいと思う」「子供が酔いやすいから、購入の候補に入れたい」などの意見を受け、解決すべく開発を進めた。
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