トイレ掃除「妻のみ」が7割 ジェンダーフリーほど遠く:負担が重い家事は女性任せ
オレンジページは、女性1100人を対象に「ジェンダーフリー」について調査した。夫婦で家事をどの程度分担しているか調べたところ、分担率が最も低かったのは「トイレ掃除」で27.8%だった。
仕事に役立つ調査データ:
消費者の傾向、若者の価値観、働き方の変化――このコーナーでは、ビジネスパーソンの働き方や企業の戦略立案に役立つようなさまざまな調査データを紹介していく。
料理雑誌などを刊行するオレンジページ(東京都港区)は、女性1100人を対象に「ジェンダーフリー」について調査した。夫婦で家事をどの程度分担しているか調べたところ、分担率が最も低かったのは「トイレ掃除」で27.8%だった。
ジェンダーフリーとは、性差による役割分担にとらわれず、「だれもが平等に自分が望む生き方を選択できるようにしよう」という意味。近年耳にする機会が増えた一方で、依然として手間のかかる家事は妻の負担が高い実態が浮かび上がった。
トイレ掃除に次いで分担率が低かったのは「料理」で39.7%。比較的家事シェアが進んでいる30代でも、トイレ掃除を分担している割合は38.8%、料理は49.0%にとどまり、妻の負担が重い傾向は変わらなかった。
「料理は買い出しに行き、メニューを考え、調理するなど、どの家事よりも一番大変だと思う」(30代パート女性)という声や、「トイレ掃除は汚したらすぐにやってくれるといいのに」(30代専業主婦)という声が聞かれた。手間や時間がかかるこの2つの家事は妻に偏りがあり、ジェンダーフリーにはほど遠い実態が浮かんだ。
一方で、分担率が最も高かったのは「日用品の買い出し」(61.4%)、次いで「整理・収納」(55.4%)、「ごみ出し」(54.0%)だった。
家事分担の割合は?
「家庭の家事の分担は●●」の、●●の部分を聞いたところ、多かったのは「お互いさま」「できる人がやる」「助け合う」「全員で」と、家族で助け合い、一人だけに負担をかけさせないという思いも感じられた。現在の家事分担の割合について尋ねたところ、「満足」と答えた割合が23.2%、「やや満足」が39.3%と、合わせて62.5%が満足していることも分かった。
家事に関する意識や価値観についても聞いた。「家事は、男女どちらか一方に偏らないようにするべきだ」は、「賛成」と「どちらかといえば賛成」が合わせて88.4%に上った。子どもの手伝いも「女の子でも男の子でも同じようにすべき」という考えに賛成する人は88.4%に上った。
オレンジページは「家事シェアの実態から家庭内のジェンダーに関する思いを分析してみると、『男だから、女だから』という固定概念に縛られず、『自分が得意なことをする』『自分らしく』『どちらかに偏りがないように』と、それぞれの思いを尊重する視点が見えた。家事以外のことでもそのような視点が当たり前になれば、自然とだれもが自分らしく心地よく生きられる社会に近づける、そんな期待を感じさせる結果となった」とコメントした。
調査は、オレンジページメンバーズで国内在住の20歳以上の女性を対象に、4月22〜26日にインターネット上で行った。有効回答数は1100人。
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