「にじさんじ」に続くか? 日本発VTuberプロダクションが急成長
6月8日に株式上場したVTuberグループ「にじさんじ」を運営するANYCOLORをはじめ、日本発の二次元エンターテインメント業界に注目が集まっている。その一つに「ホロライブプロダクション」を運営するカバーがある。
日本発の二次元エンターテインメントが今、熱い。6月8日に株式上場したVTuberグループ「にじさんじ」を運営するANYCOLORだけではない。「ホロライブプロダクション」を運営するカバー社に注目だ。
カバーは2016年6月に設立され、YouTubeチャネル累計登録者数6000万人超(22年5月時点)を有する「ホロライブプロダクション」を軸に、バーチャルライブの開催や自社開発のVTuber配信アプリ、キャラクターモデル制作、グッズ販売、楽曲制作や販売まで手掛けている。
VTuberの活躍度が分かるさまざまなランキングがある。PLAYBOARDによる最新の週間(7月4日から10日)VTuber世界投げ銭ランキングによれば、トップ10のうち「にじさんじ」のVTuberが6人、「ホロライブプロダクション」が4人となっている。
日本だけでなく英語圏やアジア圏を中心に海外でも人気の「ホロライブプロダクション」に所属する68人のVTuberはYouTubeチャンネル登録数を伸ばし、その登竜門となる100万人突破を続々と果たす勢いだ。6月には、所属する「がうる・ぐら」がVTuber史上初の400万人を突破し、その勢いは止まらない。
まさに「にじさんじ」のライバルといったところだろう。複数のVTuberを有するプロダクションは、ほかにも774 inc.や.LIVEなどがある。
二次元キャラクターのVTuberは、コマースやタイアップ広告などの事業展開が行いやすいという強さがある。ユーザーローカル調べ(21年10月)によると、国内のVTuberは1万6000人を突破するなど広がりを見せている。日本発の二次元エンターテインメントが世界の新たなカルチャーへと変貌を遂げているところだ。
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