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VTuber「にじさんじ」が上場、時価総額1600億円に達したワケ:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/4 ページ)
仮想世界で活躍する著名タレントを擁する、バーチャルYouTuber(VTuber)事務所「にじさんじ」を運営する「ANYCOLOR」が6月8日に上場した。初日は制限値幅一杯でも値段がつかず、当初の想定時価総額450億円から、9日時点の時価総額は1600億円にまで達した。
「にじさんじ」の時価総額が「テレ朝」と肩を並べる日が来た――。
仮想世界で活躍する著名タレントを擁する、バーチャルYouTuber(VTuber)事務所「にじさんじ」を運営する「ANYCOLOR」が6月8日に上場した。初日は制限値幅一杯でも値段がつかず、当初の想定時価総額450億円から、9日時点の時価総額は1600億円にまで達した。
1600億円の時価総額といえば、テレビ朝日ホールディングスや旅行大手のH.I.Sに匹敵する規模感だ。バーチャル世界のタレント事務所がテレビ局の持ち株会社と肩を並べる日が来ると、誰が予期していただろうか。
コロナ禍でリアルイベントが自粛に追いやられる中、VTuber人気は着々と裾野を広げてきた。Googleの検索ワードボリュームの推移が確認できる「GoogleTrends」のデータによれば、2022年の1月から「バーチャルYoutuber」の検索ボリュームは「欅坂46」を上回っており、その差は徐々に広がっている。
市場のトレンドをつかみ、東証グロース(旧マザーズ)市場の3位の時価総額に躍り出たANYCOLOR、同社の運営するにじさんじの魅力とは何だろうか。
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