世界三大デザイン賞を受賞 デザイン心理学にもとづいた「ほぼ日ノオト」とは:罫線に特徴
デザイン心理学にもとづき作ったノートが、世界三大デザイン賞などを受賞した。製造したのは「ほぼ日」と「BB STONEデザイン心理学研究所」。目のストレスを軽減したという罫線の特徴とは?
「ほぼ日」と「BB STONEデザイン心理学研究所」(以下、BB STONE)がつくった、デザイン心理学にもとづき目のストレスを軽減したノート「ほぼ日ノオト」がこのほど、「第31回 日本文具大賞2022」の機能部門優秀賞に選ばれた。世界三大デザイン賞「Red Dot Design Award 2022」のプロダクトデザイン部門でも受賞した。
BB STONEは、デザイン心理学にもとづいた商品のコンサルティングや空間開発の支援を行う、千葉大工学部発のベンチャー企業。同社の研究チームが開発した「ほぼ日ノオト」の罫線は、一般的な罫線と違って横線がつながっておらず、わずかに隙間がある。その下にマス目のガイドとして短い縦線が入り、「線がつながっていないのに罫線に見える」ようにデザインした。
罫線が主張しすぎないため見た目がやわらかな印象になり、ノートを開いたときの威圧感が減って長時間見てもストレスが少ないのが特徴だという。表や図が書きやすく、文頭も自然とそろう。今までにない罫線として、2020年に特許を取得している。
ドイツの「Red Dot Design Award」は、「最小限の変更でデザインと使いやすさに大きな影響を与えており革新的だ」などとコメントしている。
研究チームは、被験者116人に多角的な検証実験を実施。既存の罫線と比較して、単純計算の正答率や速度を検証した結果、正答率も速度も新しい罫線が1位となり、集中力が上がる効果が見られたとしている。
「ほぼ日ノオト」を使ったことがある人からは、「罫線が細いため問題集を解くときに筆記に集中できた」「字の大きさがバラバラになりがちな子どもでもバランスを取りやすい」といった感想が寄せられている。
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