産業医が警告! 「フルリモート」や「1日4件のWeb会議」が危険なワケ:その働き方、大丈夫?(5/5 ページ)
新型コロナウイルスをきっかけに浸透したリモートワークは、効率的な働き方だが、一歩間違えると大きな“副作用”を生む可能性があるという。「やりすぎ注意」なポイントとは? 産業医の志村哲祥氏が解説する。
「自分は大丈夫」が命取りに
ここまで不調のリスクと改善方法をお伝えしてきましたが、それでもまだ「自分は大丈夫」とお考えの方はいませんか。それこそが、睡眠やストレス問題のボトルネックの1つです。
ワーク・ライフバランスとDUMSCOの調査では、高ストレス者の57%が、自身の高ストレスに無自覚という結果が明らかになっていまいますが、自覚が難しいが故に、睡眠の問題が生じても「でも、大丈夫」と認識され、改善策を講じないまま過ごす人たちも多いのではないかと懸念しています。
そして、ここでも交感神経が関係してきます。
人はストレスを感じると、交感神経が優位になり、抗ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールなどが分泌されます。これにより、血圧や血糖値を上げて活動性を確保し、その状況にがんばって対抗しようとするので、ストレス環境下で一時的にパフォーマンスが上がってしまうことすら少なくなく、自身のストレスに無頓着になってしまう場合があります。
しかし、この一時的にパフォーマンスが向上することもある「抵抗期」は長くは続きません。慢性的なストレス状態が続くと、ある日突然うつ状態に陥ることもあるので注意が必要です。
ストレスに先に気付くのは「頭」よりも「体」で、自覚はなくとも、高ストレスの予兆は体に現れ、その典型例の1つが睡眠の問題です。
睡眠に何らかの問題を感じるようになった際は、自覚のないストレスの予兆と認識し、ここで紹介した対策に取り組んでみてください。
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