Tinderのグローバルトップに聞く勝算 アジア太平洋で前年比25%増収を目指す:マッチングアプリの展望(3/5 ページ)
マッチングサービス世界最大手Tinderのレナータ・ナイボーグCEOに今後の展望を聞いた。
日本人は会話のきっかけ作りに苦手意識
――日本人の使い方の特徴とは?
私は今回の来日で、日本企業が絵文字を発明したことを知りました。視覚的なものを利用した使い方が好まれていて、毎日400万の絵文字がやりとりされているというデータもあります。実際、絵文字を使ったほうがマッチングの成功確率が高くなっています。
また、日本人はチャットでの会話のきっかけ作りに苦手意識を持っている人が多い傾向があります。Tinderには興味(趣味・関心)を表示する機能があり、「こんにちは。あなたはどういう人ですか?」というメッセージを送るよりは、「こんにちは。あなたはこういう音楽を聴くのですね!」「カラオケが好きなのですね。今度一緒に行きましょう」といった会話から始めることが可能になります。
興味の機能は日本向けに開発したものですが、世界で試してみたところ、この機能は便利だと評価されたので、今ではグローバルな機能となりました。
日本のメンバーは、世界の人たちと比べると礼儀正しいので、失礼な人がいたというような報告は世界と比較すると少ないですね。世界のメンバーが学ぶべきことでしょう。
――夫とはTinderで知り合ったと聞いた。そういう意味ではマッチングアプリのまさに代弁者的な存在だ。
彼と出会ったときは、私はロンドン在住でアップルに勤めていました。彼はフランス人ですがロンドンにいました。共通の好きな音楽についてやり取りをしたり、また、2人の一番行ってみたい旅行先が日本という共通点もありました。最終的にパリで結婚することができました。
――なぜ日本に関心を持ったのか?
もともとゲームが好きで、初めてアプリの仕事に携わったのもゲームの分野でした。そういったことで日本のゲーム界を常にリスペクトしていたのです。インターナショナルスクールに通っていたのですが、同級生に日本人が2人いて、折り紙を学んだこともあります。
――Tinderで夫と出会った経験はTinderで働く上で役立ったか?
いろいろと生きています。6年前にTinderを使ったのですが、Tinderが英国で流行り始めてきた頃でした。初めて使う不安もあり、そのときのプロフィールでは、私の卒業大学の情報を載せた程度でした。
米国ではマッチングアプリは普通に使われていて、英国でも米国ほどではないものの、かなり一般的になっています。
日本市場が米国と同じレベルになるにはあと5年はかかると思いますが、サービスを開発する際、特に女性に対して自分の本来の姿を安心して表現できるようなサービスになるように心がけています。
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